ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「困った時の覚え書き」というサイトから転載。
非常に分かりやすく書かれている。プロでもこうは書けないだろう。
ほかにパソコン関係の記事などもあるようだから、「お気に入り」のサイトになりそうだ。
おそらく、ツーシームが厄介なのは、速球とほとんど軌道が同じだのに、ホームベース付近での球の変化がつかみにくい、ということだろう。球速が遅いほど空気抵抗により変化が強くなるようだから、「速球がお辞儀する」日ハムの斎藤などは、ツーシームを操れば再生できるかもしれないwww
(以下引用)
非常に分かりやすく書かれている。プロでもこうは書けないだろう。
ほかにパソコン関係の記事などもあるようだから、「お気に入り」のサイトになりそうだ。
おそらく、ツーシームが厄介なのは、速球とほとんど軌道が同じだのに、ホームベース付近での球の変化がつかみにくい、ということだろう。球速が遅いほど空気抵抗により変化が強くなるようだから、「速球がお辞儀する」日ハムの斎藤などは、ツーシームを操れば再生できるかもしれないwww
(以下引用)
球種の図解と説明(プロ野球)
プロ野球の投手の変化球などの球種の図解と説明です。
これを書いている時点でプロ野球シーズンたけなわです。近年ではCSなどで全試合が中継されるようになり、テレビで観戦する機会も多いことでしょう。そして投手の投げる球種が多様化しており、観戦初心者の方にはわかりづらいと思いますので、ザっと説明します。
ただし大前提として、同じ名前の球種でも投手によって速さやボールの軌道、場合によっては握りまでもが違うものです。テレビゲームのピッチャーの変化球とは違って、ひとりひとり独特のボールを投げます。
ですから、プロの解説者でもフォークとチェンジアップを間違えたり、一般的にはスライダーと認識されているボールが投げている本人はカーブだと思っていたりということが当たり前におこります。それを踏まえて、説明に移ります。
▼ストレート系
ストレートのことを実況などでは「真っ直ぐ」と呼ぶことが多いです。メジャーリーグなどでは「ファストボール」と呼ぶこともあるようです。そして近年日本のプロ野球に輸入(?)されて全盛期を迎えているのがストレートの一種の「ツーシーム」です。普通の従来からあったストレートのことをツーシームと区別するために「フォーシーム」と呼ぶことも増えて来ました。まずはツーシームとフォーシームについて説明します。
”シーム”というのは縫い目という意味です。ストレートを投げる場合、投手はボールの縫い目に指をかけてバックスピンをかけます。ボールの縫い目はデッパっていて高さがありますから、縫い目が空気を掻きます。その空気の掻き、スピンが強いほど投げたボールがなかなか下に落ちなくなり、これが伸びのある球と呼ばれているものです。
逆にスピンの弱い球は伸びを欠き、沈み気味の軌道で飛びます。これは今までの野球では「ボールがお辞儀をしている」と表現され、威力の弱いボールで良くないこととされていました。ということを踏まえて、ようやくツーシームとフォーシームの具体的な違いのお話です。
画像の4シームの向きでスピンをかけると、空気を掻く縫い目(seam)は4箇所になり、シュ・シュ・シュ・シュと強く空気を掻けますから伸びのあるストレートを目指す場合はこの投げ方になります。2シームの向きでスピンをかけると、空気を掻く縫い目は2本です。空気を掻く力が弱まるのと同時に、その2本の縫い目は連続的に現れ、シュシュ・・・シュシュ・・・シュシュ・・・という感じになり、ボールの軌道が不安定になりやすいという特徴もあります。
ストレート(フォーシーム)
フォーシームのストレートです。投げたボールは絶対に落下しながら(沈みながら)ホームベース上に到達しますが、その落下具合が少ないボールは打者には伸びるように感じられます。現実に投げたボールが上に上がる(ホップする)ことはありませんが、落下が非常に少ないボールは目の錯覚でホップするように見えることもあるそうです。
ツーシーム
昔の野球では速球は伸びれば伸びるほどいいとされていましたが、その発想を覆す現代の魔球(?)ですね。空気の掻きが弱く軌道が不安定になりますから、小さく変化するボールです。
しかしながら、抜いたりひねったりして投げる変化球とは違って縫い目に指をかけて強く投げるボールですから、球速がフォーシームのストレートと比べてもそれほど落ちず、フォームもフォーシームと同じに投げられますから、打者としては普通のストレートが来た!と思って打ったら変化してバットの芯に当たらない・・・という効果がツーシームの狙いです。変化自体小さいですから、空振りを取るよりも打たせて取る球種です。
画像ではかなり変化しているように見えますが、この画像の投手がダルビッシュというすごい2シームの使い手であるということと、野球中継のカメラ位置は投手の後ろからなので変化はより大きく見えるという面があります。本来、変化の大きさよりもいかに普通のストレートと思わせて打者を騙すか、いかに手元で変化するかの方が重要です。
カットボール
カッターとか、カットファストボールとも言います。ストレートをリリースする瞬間に指先でボールをはじくように切って打者の手元で小さな変化をさせて打者のバットの芯を外すというボールです。フォーシーム方向に握る人もいれば、ツーシームで切る人もいるようです。投げ方は本当にひとそれぞれで、変化も右に曲げる人もいれば左に曲げる人も、また縦に落とす人もいます。ツーシームと同じ時期に日本上陸した比較的新しい球種です。
▼変化球
カーブ
利き腕の反対方向に曲がりながら落ちる、緩い変化球です。縫い目を利用して強いスピンをかけてググッっと強く曲がるカーブ(ブレーキのあるカーブという言い方をします)を投げる投手もいれば、抜いた投げ方でドロンとしたカーブを投げる投手もいます。また、ツメではじいてスピンをかけるナックルカーブを投げる投手もいます。
抜いたカーブを投げる投手が比較的多いです。カーブという語感から、いかにもボールが横に曲がりそうな感じがしますが、縦の変化(落ちる変化)の方が大きいことが普通です。投手によっては、横にはボール1~2個分しか曲がらずに縦に落ちるというカーブを投げる人もいます。縦の抜いたカーブのことを昔はドロップと呼びました。いかにも落ちそうな響きですね。
投手が投げる球種の中では最も遅い部類ですから、速い球を投げるぞと見せかけてカーブを投げてタイミングを外すという使い方がメインです。カーブは曲がりが大きくでも基本的に緩やかな変化の場合が多いですから、打者がカーブとわかっていれば当てることはできるボールです。いかに打者の裏をかくかという性質を持っている球種です。
どちらかと言うと最近では投げる投手が少なくなってきているボールです。というのも、他の変化球と比べて投げ方が独特で、フォームでカーブだとバレやすいとか、コントロールが難しいという面があり、ツーシームなど新しい変化球で抑えられるのであればわざわざこの難しい球種を覚えるメリットが少ないという考え方のようです。
絶滅危惧種(?)の球種ですが、西武の岸などは昔ながらと感じられるクラシック(?)なカーブを得意にしている珍しい投手です。
チェンジアップ
ボールにあまりスピンがかからないように抜いて投げて、速い球を待っている打者の裏をかいて打ち取る球種です。一般的にはボールをわしづかみでつかんで、いかにもストレートという風に腕を強く振って投げるという投げ方ですが、チェンジアップというのは変化球の種類であると同時に、速球を意識した打者を遅い球で騙す球という意味合いもあります。
比較的新しい球種ですが、現在ではすっかり定着して投げる投手も多くなっています。また、ボールはスピンが弱いために落ちる変化をするのが普通ですが、わずがにシュートしながら(利き腕側に変化しながら)落ちるのが一般的です。真下に落ちるチェンジアップを投げられる投手は少ないそうです。
ですから、基本的にチェンジアップは(右投手・右打者の場合)外角には投げないのが普通です。内側に変化して真ん中の打ちやすい球になりやすいからです。しかしオリックスの金子千尋のような器用な投手は真下に落ちるチェンジアップを外角に使う場面も良く見ます。
シュート
利き腕の方向に曲がりながら落ちる変化球です。(右投手・右打者の場合)、打者から見るとボールがどんどん体の方に近づいて来ながら落ちますから、打っても内野ゴロになりやすくダブルプレーを取るために使うことも多い球種です。
習得が難しいのか、得意にしている投手は少ないのが現状です。また、昔は内側にひねって投げるので肘に負担がかかると言われていましたが、シュートの名手として有名な西本聖元投手は「シュートはひねって投げるのではなく、指先で切って投げるのだから肘に悪いというのはナンセンスだ」とその説を完全に否定しています。
人間の腕の構造上、ボールを普通に投げると腕は当然、外側から内側へという軌道をえがきますよね。ですから、ボールをちゃんと握っていなかったり、体が理想よりも早く打者に正対してしまういわゆる”開いてしまう”状態だと、ストレートを投げたつもりがナチュラルにシュートしてしまう場合があります。この場合は意図して投げたシュートとは違い、”シュート回転”で、たとえば外角を狙ったボールが真ん中に入って打たれやすくなる・・・というケースが多いです。
シュートの使い手は少ないのですが、ノムさんこと野村克也元監督はシュートの威力を評価しており、監督を務めたチームでは投手にシュートを覚えるように指示していたそうです。元ヤクルトの川崎憲次郎などはシュートを武器に飛躍しました。現在では使い手は少ないのですが、例えば巨人の香月が得意としています。
フォークボール
ボールを人差し指と中指で深く挟んで、腕の振りで抜いて投げるボールで、回転が極端に少ないですからボールは打者の手元で鋭く落ちます。普通は縫い目を避けてボールの皮の部分を挟みますが、人によってはあえて縫い目に指がかかるようにはさんで横への変化を足すという場合もあるそうです。
基本的にはスピンが極端に少なく、ストレートとの球速差もカーブやチェンジアップに比べると少ないボールですから、高く打ちやすいコースに投げてしまうと簡単に長打を打たれるというリスクをはらんだ球種です。しかし、ある程度球速があることと、途中までの軌道がストレートによく似ている(ように見える)ボールなので、低く投げればストレートだと思って打ちに来た打者を空振りさせやすい球種です。
一般的に、ストレートが速い投手が空振り三振を取る決め球に使う場合が多いです。また、ワンバウンドでも打者が空振りしてしまうことが多いほどにストレートとの見分けをつけにくいために打者が迷ってしまう分フォークとストレートの両方の威力を相乗効果で高めるという要素も強いのです。
一人の投手でシュートしながら落ちるフォーク、真下に落ちるフォーク、遅いフォーク、速いフォークなど、複数の性質のフォークを投げ分ける投手もいます。また、ボールを浅く挟むことで落差は小さくなるもののスピードは速くコントロールもつけやすいSFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)というフォークからの派生の球種もあります。
日本ハムの木佐貫投手はフォークの名手で、カウントを取るフォーク、空振りを取るフォーク、コースを狙ったフォークなどを使い分けます。
また、挟んで抜くという独特の投げ方ですから、手の大きさや指の長さ、柔軟さなどに影響されやすく、マレに”お化けフォーク”と呼ばれるようなすごい落差のフォークを投げる投手が出現します。元横浜・メジャーリーグの佐々木主浩、元近鉄・メジャーリーグの野茂英雄、元巨人のマリオ、現役では横浜の牛田などのフォークの落差はよく話題に登ります。
▼スライダーのバリエーション
スライダー
テレビ中継では、小さくて速いカーブのように見えます。利き腕の逆側に鋭く小さく曲がりながら落ちるボールです。カーブのように抜いたりひねったりする投げ方ではなく、ボールの握りとリリースで変化をつけますから投げやすく、プロ野球の投手のほとんどの投手が投げられると言ってもいいポピュラーな球種です。カーブのようなひねりを加えて、カーブとスライダーのあいの子のような変化をする”スラーブ”なんて呼ばれるボールを投げる投手もいます。
スライダーは元々、利き腕と逆方向に横滑りの変化をするボールというのがその定義でしたが、横に滑るスライダーを投げる投手は現在では少なく、比較的速くて曲がり落ちる、小さいカーブのような球がスライダーという風に時代とともに変わって来ました。
横滑りのスライダー
元々のスライダーの定義のような、真横に滑る変化をするボールで、使い手は少ないです。現役では中日の岩瀬が貴重な真横スライダーの使い手で、全盛期は左投手の岩瀬のスライダーの変化に左打者がついていけず、曲がり(滑り)の大きさで空振りを取っていました。オリックスの桑原も横滑りのスライダーで名を売るか・・・と期待されましたが伸び悩んでいます。
ごくマレに、化け物のような大きな変化の横滑りスライダー投手が出現するのも面白いところです。元ヤクルトの伊藤智仁、元広島の林昌樹のスライダーはテレビの画面越しでもグイーンをいう感じで横に滑っていました。まるでマンガです。現役で変化が大きいと言われているのはロッテの中後で、ブルペンで隣の投手の球を受けている捕手のところまで曲がったというウソくさい(笑)逸話があります。
縦スライダー
ボールを縦に切ってスライドさせますから、フォークのように下に落ちる変化をするスライダーです。用途としてもフォークと同じく空振りを取るというボールになります。近鉄やメジャーリーグで活躍し、WBCでも日本代表として活躍した大塚晶則が威力のある縦スライダーで名を売り、縦スライダーもその時期あたりからポピュラーになりました。
▼特殊球
シンカー
中指と薬指の間からボールを抜き、利き腕方向に変化しながら落ちるという軌道で変化します。変化方向はシュートと同じですが、シンカーの方が抜いて投げる分速球との球速差が大きく、一旦上に浮いてから落ちるように見えますからシュートとは区別されることが普通です。
元西武の潮崎哲也、元ヤクルト・メジャーリーグの高津臣吾、元阪急の山田久志などがシンカーの名手として知られています。この顔ぶれからわかるように、サイドスローやアンダースローの投手に相性がいいようです。というより、投げ方やボールの軌道からサイド、アンダーの投手が投げてこそ最大限の威力を発揮するといも言えそうです。
スクリューボール
シンカーの左投手版がスクリューという説もあるのに、右投手が開発した球種だという説もあるという球種ですが、左投手がシンカーのような球を投げ、その球の回転方向が船のスクリューと同じだからそれをスクリューボールと呼ぶ・・・という説も。おそらくですが、左でシンカーを投げる投手が珍しかったことと前述の船のスクリューということが合わさって、スクリューボールという名前をつけて区別したのではと思われます。
元も子もない言い方をすると左投手の投げる落ちるシュート系のボールなのですが、左投手対右打者の場合に、外角に逃げるボール、右投手が投げるカーブやスライダーのような用途で使われることが多いようです。
現役では中日の山本昌が使い手として有名で、巨人の内海はチェンジアップのことをスクリューボールと自称しています。過去の選手では元巨人のカムストック(応援歌の歌詞にスクリューボールという言葉が入っていました)、メジャーリーグのバレンズエラなどが印象的です。
ナックルボール
ボールを限りなく無回転に近い状態で投げる球種です。いや、投げるというよりはボールにツメを立てて押し出すという投げ方や、ツメでドライブ回転をかけて腕の振りでかけるバックスピンで回転を相殺して無回転にするという方法で投球するケースが多いようです。
押し出すように放たれたボールは大抵が時速80~90キロ程度です。スーパースローで見てもほとんどボールが回転しておらず、ボールの同じ面が見えたまま向かってくるというイメージです。しかしボールにはカーブを描いた縫い目がありますから空気抵抗でボールが変化し少しだけ回転・・・というより角度がズレます。それによってまた違った変化がおこり、その変化によって縫い目にまた違った空気抵抗がかかります。
不規則で連続的な変化と空気抵抗という連鎖が非常に遅い球速によってさらに増幅され、打者からは左右に揺れたり極端に落ちたりという予測が非常に難しい変化をして見えます。いや、打者から見えるというより実際にグネグネと変化しながら落下します。ボールの軌道は投手によってというより、同じ投手でも一球ごとに違っており、捕手が捕るのも大変なんだそうです。ですからナックルボールの使い手とバッテリーを組む捕手は大きなミットを使う場合もあるそうです。
日本のプロ野球では、ナックルボールを持ち球をして持っている投手はいますが、いわゆるナックルボーラーは長い歴史の中でも元広島のジャレット・フェルナンデスくらいです。
ナックルボーラーというのは、ナックルをたまに投げるというのではなく、ほとんどナックルしか投げないという珍しいタイプの投手を指す言葉で、メジャーリーグではフィル・ニークロ、ジョー・ニークロの兄弟、ティム・ウェイクフィールドらが有名で彼らは200勝以上しています。(フィル・ニークロは300勝以上です。)
ナックルボーラーは微妙な感覚が命で、全力投球で肩肘を酷使するということがありませんから、登板間隔が短くて済むとか、長い間現役で活躍できるというメリットもあります。(フィル・ニークロは48歳まで現役でした。)
捕手も捕れないほどの球でしかも長持ちする・・・いいことずくめなのにナックルボーラーの数が少ないということは、それだけ習得が難しい球種だということでしょうね。
▼その他の球種
パームボール
ボールを手の平で包むように持ち、指を立てて押し出すように投げる球種です。球にスピンを与えませんから、球速は遅く、沈んでゆく軌道のボールです。
ワンシーム
1本の縫い目だけに指をかけてリリースし、スローで見るとボールの回転により白いボールに1本の赤い線が入っているように見えます。ツーシームよりも大きく変化するそうですが、1本の縫い目にしか指をかけないためにコントロールが難しいそうです。ダルビッシュが投げたのが日本では初です。
ジャイロボール
一時期魔球として話題になりました。ボールに螺旋回転を与えて投げます。つまり、打者からみて常にボールの同じ面が見えた状態で回転している状態です。フォーシームジャイロとツーシームジャイロがあり、フォーシームジャイロはボールの減速が少なく(初速と終速の差が非常に小さく)、錯覚によりボールが加速するような感覚でタイミングを取りづらくなります。ツーシームジャイロは落差の大きい落ちるボールになると言われています。
▼特定投手の独自変化球(?)
ヨシボール (阪急・オリックス 佐藤義則)
フォークの握りが苦手だった佐藤が、人差し指と親指で挟んで投げた変形フォークですが、落差が大きくフォークとはまた違った独特の変化をしました。
エモボール (南海・阪神 江本孟紀)
正体はカーブと言われていますが、実はカーブの投げ損ないがヘンな変化をしたので、それを「エモボール」と名付けてマスコミに流し、相手チームの撹乱に使ったという説があります。
コシヒカリ (巨人 江川卓)
これはスライダーに名前をつけて相手に意識させるという上のエモボールと同じ発想のボールというのが真相のようです。ストレートに絶対の自信を持っていた江川が、その威力がやや落ちてきたのをごまかすための苦肉の策のひとつで、「コシヒカリなどと名前をつけたスライダーに頼らざるを得なくなった時点で、投手としては終わりかけていた」と語っています。
おもわぬ副産物として、江川はコシヒカリを生産している農家からお米をプレゼントされました。それに味をしめて「マスクメロン」という新球(?)も。冗談で「今度はベンツというボールを投げよう」とも(笑)。
星野スペシャル (阪急・オリックス・阪神 星野伸之)
あまりポピュラーではありませんが、星野が「全力で置きに行った棒球のストレート」で、ある試合で四球を出すくらいなら打たれた方がマシという状況でその場のひらめきで投げてみたところ、そんなボールは通常ではありえませんから打者が面食らってストライクを取れたというのが誕生のきっかけだったそうです。
実際にその後の試合でも状況を見て使っており、打者は「なんだよ、それ」という感じで面食らって結局ワンストライクを取ってしまうという状態だったそうです。
カミソリシュート (大洋 平松政次)
鋭い変化をするシュートで、社会人時代に教わったものの習得していなかったシュートを練習で投げてみたらいい変化をして、わずか6球の練習で自分のものにしたと言われています。
シェイク (ロッテ・横浜・メッツ 小宮山悟)
人差し指と中指で浅く挟んで押し出して投げ、超遅球で揺れながら落ちるという球です。フォームがキャッチボールのようなゆるいフォームで、投球動作の途中でシェイクだとバレバレなのですが日頃そこまで極端に緩い球を練習していないプロの打者には案外有効でした。
イーファスピッチ 多田野数人 (インディアンス・日本ハム)
ボールがテレビ中継の画面から外れてしまうほど、緩い球を上に投げ上げ、超山なりでキャッチャーミットまで届かせてしまうボールで、もちろん多投はしませんが忘れた頃に投げてファンを喜ばせています。小宮山のシェイクと同様に、とっさに対応するのは難しいボールです。すごいのは、ちゃんとストライクゾーンを通過するというところだと思います。
宜野座カーブ(番外)
プロではありませんが、沖縄県立宜野座高等学校の奥浜正監督が考案した宜野座カーブは、通常のカーブとは全く違ったリリースで投げます。手の甲を投球方向へ向けた状態から外側に腕を捻る事で強い縦回転をかける、非常に鋭いブレーキの効いたカーブです。
駆け足で説明しましたが、最初に書いた通り同じ名前の変化球でも投手によって色々な性質を持っています。そこが面白いところとも言えます。また、マンガみたいなオリジナル変化球も色々ありますね。私のような素人野球観戦者にとって、変化球というのは子供の頃からの憧れの対象です。
これを書いている時点でプロ野球シーズンたけなわです。近年ではCSなどで全試合が中継されるようになり、テレビで観戦する機会も多いことでしょう。そして投手の投げる球種が多様化しており、観戦初心者の方にはわかりづらいと思いますので、ザっと説明します。
ただし大前提として、同じ名前の球種でも投手によって速さやボールの軌道、場合によっては握りまでもが違うものです。テレビゲームのピッチャーの変化球とは違って、ひとりひとり独特のボールを投げます。
ですから、プロの解説者でもフォークとチェンジアップを間違えたり、一般的にはスライダーと認識されているボールが投げている本人はカーブだと思っていたりということが当たり前におこります。それを踏まえて、説明に移ります。
▼ストレート系
ストレートのことを実況などでは「真っ直ぐ」と呼ぶことが多いです。メジャーリーグなどでは「ファストボール」と呼ぶこともあるようです。そして近年日本のプロ野球に輸入(?)されて全盛期を迎えているのがストレートの一種の「ツーシーム」です。普通の従来からあったストレートのことをツーシームと区別するために「フォーシーム」と呼ぶことも増えて来ました。まずはツーシームとフォーシームについて説明します。
”シーム”というのは縫い目という意味です。ストレートを投げる場合、投手はボールの縫い目に指をかけてバックスピンをかけます。ボールの縫い目はデッパっていて高さがありますから、縫い目が空気を掻きます。その空気の掻き、スピンが強いほど投げたボールがなかなか下に落ちなくなり、これが伸びのある球と呼ばれているものです。
逆にスピンの弱い球は伸びを欠き、沈み気味の軌道で飛びます。これは今までの野球では「ボールがお辞儀をしている」と表現され、威力の弱いボールで良くないこととされていました。ということを踏まえて、ようやくツーシームとフォーシームの具体的な違いのお話です。
画像の4シームの向きでスピンをかけると、空気を掻く縫い目(seam)は4箇所になり、シュ・シュ・シュ・シュと強く空気を掻けますから伸びのあるストレートを目指す場合はこの投げ方になります。2シームの向きでスピンをかけると、空気を掻く縫い目は2本です。空気を掻く力が弱まるのと同時に、その2本の縫い目は連続的に現れ、シュシュ・・・シュシュ・・・シュシュ・・・という感じになり、ボールの軌道が不安定になりやすいという特徴もあります。
フォーシームのストレートです。投げたボールは絶対に落下しながら(沈みながら)ホームベース上に到達しますが、その落下具合が少ないボールは打者には伸びるように感じられます。現実に投げたボールが上に上がる(ホップする)ことはありませんが、落下が非常に少ないボールは目の錯覚でホップするように見えることもあるそうです。
昔の野球では速球は伸びれば伸びるほどいいとされていましたが、その発想を覆す現代の魔球(?)ですね。空気の掻きが弱く軌道が不安定になりますから、小さく変化するボールです。
しかしながら、抜いたりひねったりして投げる変化球とは違って縫い目に指をかけて強く投げるボールですから、球速がフォーシームのストレートと比べてもそれほど落ちず、フォームもフォーシームと同じに投げられますから、打者としては普通のストレートが来た!と思って打ったら変化してバットの芯に当たらない・・・という効果がツーシームの狙いです。変化自体小さいですから、空振りを取るよりも打たせて取る球種です。
画像ではかなり変化しているように見えますが、この画像の投手がダルビッシュというすごい2シームの使い手であるということと、野球中継のカメラ位置は投手の後ろからなので変化はより大きく見えるという面があります。本来、変化の大きさよりもいかに普通のストレートと思わせて打者を騙すか、いかに手元で変化するかの方が重要です。
カッターとか、カットファストボールとも言います。ストレートをリリースする瞬間に指先でボールをはじくように切って打者の手元で小さな変化をさせて打者のバットの芯を外すというボールです。フォーシーム方向に握る人もいれば、ツーシームで切る人もいるようです。投げ方は本当にひとそれぞれで、変化も右に曲げる人もいれば左に曲げる人も、また縦に落とす人もいます。ツーシームと同じ時期に日本上陸した比較的新しい球種です。
▼変化球
利き腕の反対方向に曲がりながら落ちる、緩い変化球です。縫い目を利用して強いスピンをかけてググッっと強く曲がるカーブ(ブレーキのあるカーブという言い方をします)を投げる投手もいれば、抜いた投げ方でドロンとしたカーブを投げる投手もいます。また、ツメではじいてスピンをかけるナックルカーブを投げる投手もいます。
抜いたカーブを投げる投手が比較的多いです。カーブという語感から、いかにもボールが横に曲がりそうな感じがしますが、縦の変化(落ちる変化)の方が大きいことが普通です。投手によっては、横にはボール1~2個分しか曲がらずに縦に落ちるというカーブを投げる人もいます。縦の抜いたカーブのことを昔はドロップと呼びました。いかにも落ちそうな響きですね。
投手が投げる球種の中では最も遅い部類ですから、速い球を投げるぞと見せかけてカーブを投げてタイミングを外すという使い方がメインです。カーブは曲がりが大きくでも基本的に緩やかな変化の場合が多いですから、打者がカーブとわかっていれば当てることはできるボールです。いかに打者の裏をかくかという性質を持っている球種です。
どちらかと言うと最近では投げる投手が少なくなってきているボールです。というのも、他の変化球と比べて投げ方が独特で、フォームでカーブだとバレやすいとか、コントロールが難しいという面があり、ツーシームなど新しい変化球で抑えられるのであればわざわざこの難しい球種を覚えるメリットが少ないという考え方のようです。
絶滅危惧種(?)の球種ですが、西武の岸などは昔ながらと感じられるクラシック(?)なカーブを得意にしている珍しい投手です。
ボールにあまりスピンがかからないように抜いて投げて、速い球を待っている打者の裏をかいて打ち取る球種です。一般的にはボールをわしづかみでつかんで、いかにもストレートという風に腕を強く振って投げるという投げ方ですが、チェンジアップというのは変化球の種類であると同時に、速球を意識した打者を遅い球で騙す球という意味合いもあります。
比較的新しい球種ですが、現在ではすっかり定着して投げる投手も多くなっています。また、ボールはスピンが弱いために落ちる変化をするのが普通ですが、わずがにシュートしながら(利き腕側に変化しながら)落ちるのが一般的です。真下に落ちるチェンジアップを投げられる投手は少ないそうです。
ですから、基本的にチェンジアップは(右投手・右打者の場合)外角には投げないのが普通です。内側に変化して真ん中の打ちやすい球になりやすいからです。しかしオリックスの金子千尋のような器用な投手は真下に落ちるチェンジアップを外角に使う場面も良く見ます。
利き腕の方向に曲がりながら落ちる変化球です。(右投手・右打者の場合)、打者から見るとボールがどんどん体の方に近づいて来ながら落ちますから、打っても内野ゴロになりやすくダブルプレーを取るために使うことも多い球種です。
習得が難しいのか、得意にしている投手は少ないのが現状です。また、昔は内側にひねって投げるので肘に負担がかかると言われていましたが、シュートの名手として有名な西本聖元投手は「シュートはひねって投げるのではなく、指先で切って投げるのだから肘に悪いというのはナンセンスだ」とその説を完全に否定しています。
人間の腕の構造上、ボールを普通に投げると腕は当然、外側から内側へという軌道をえがきますよね。ですから、ボールをちゃんと握っていなかったり、体が理想よりも早く打者に正対してしまういわゆる”開いてしまう”状態だと、ストレートを投げたつもりがナチュラルにシュートしてしまう場合があります。この場合は意図して投げたシュートとは違い、”シュート回転”で、たとえば外角を狙ったボールが真ん中に入って打たれやすくなる・・・というケースが多いです。
シュートの使い手は少ないのですが、ノムさんこと野村克也元監督はシュートの威力を評価しており、監督を務めたチームでは投手にシュートを覚えるように指示していたそうです。元ヤクルトの川崎憲次郎などはシュートを武器に飛躍しました。現在では使い手は少ないのですが、例えば巨人の香月が得意としています。
ボールを人差し指と中指で深く挟んで、腕の振りで抜いて投げるボールで、回転が極端に少ないですからボールは打者の手元で鋭く落ちます。普通は縫い目を避けてボールの皮の部分を挟みますが、人によってはあえて縫い目に指がかかるようにはさんで横への変化を足すという場合もあるそうです。
基本的にはスピンが極端に少なく、ストレートとの球速差もカーブやチェンジアップに比べると少ないボールですから、高く打ちやすいコースに投げてしまうと簡単に長打を打たれるというリスクをはらんだ球種です。しかし、ある程度球速があることと、途中までの軌道がストレートによく似ている(ように見える)ボールなので、低く投げればストレートだと思って打ちに来た打者を空振りさせやすい球種です。
一般的に、ストレートが速い投手が空振り三振を取る決め球に使う場合が多いです。また、ワンバウンドでも打者が空振りしてしまうことが多いほどにストレートとの見分けをつけにくいために打者が迷ってしまう分フォークとストレートの両方の威力を相乗効果で高めるという要素も強いのです。
一人の投手でシュートしながら落ちるフォーク、真下に落ちるフォーク、遅いフォーク、速いフォークなど、複数の性質のフォークを投げ分ける投手もいます。また、ボールを浅く挟むことで落差は小さくなるもののスピードは速くコントロールもつけやすいSFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)というフォークからの派生の球種もあります。
日本ハムの木佐貫投手はフォークの名手で、カウントを取るフォーク、空振りを取るフォーク、コースを狙ったフォークなどを使い分けます。
また、挟んで抜くという独特の投げ方ですから、手の大きさや指の長さ、柔軟さなどに影響されやすく、マレに”お化けフォーク”と呼ばれるようなすごい落差のフォークを投げる投手が出現します。元横浜・メジャーリーグの佐々木主浩、元近鉄・メジャーリーグの野茂英雄、元巨人のマリオ、現役では横浜の牛田などのフォークの落差はよく話題に登ります。
▼スライダーのバリエーション
テレビ中継では、小さくて速いカーブのように見えます。利き腕の逆側に鋭く小さく曲がりながら落ちるボールです。カーブのように抜いたりひねったりする投げ方ではなく、ボールの握りとリリースで変化をつけますから投げやすく、プロ野球の投手のほとんどの投手が投げられると言ってもいいポピュラーな球種です。カーブのようなひねりを加えて、カーブとスライダーのあいの子のような変化をする”スラーブ”なんて呼ばれるボールを投げる投手もいます。
スライダーは元々、利き腕と逆方向に横滑りの変化をするボールというのがその定義でしたが、横に滑るスライダーを投げる投手は現在では少なく、比較的速くて曲がり落ちる、小さいカーブのような球がスライダーという風に時代とともに変わって来ました。
元々のスライダーの定義のような、真横に滑る変化をするボールで、使い手は少ないです。現役では中日の岩瀬が貴重な真横スライダーの使い手で、全盛期は左投手の岩瀬のスライダーの変化に左打者がついていけず、曲がり(滑り)の大きさで空振りを取っていました。オリックスの桑原も横滑りのスライダーで名を売るか・・・と期待されましたが伸び悩んでいます。
ごくマレに、化け物のような大きな変化の横滑りスライダー投手が出現するのも面白いところです。元ヤクルトの伊藤智仁、元広島の林昌樹のスライダーはテレビの画面越しでもグイーンをいう感じで横に滑っていました。まるでマンガです。現役で変化が大きいと言われているのはロッテの中後で、ブルペンで隣の投手の球を受けている捕手のところまで曲がったというウソくさい(笑)逸話があります。
ボールを縦に切ってスライドさせますから、フォークのように下に落ちる変化をするスライダーです。用途としてもフォークと同じく空振りを取るというボールになります。近鉄やメジャーリーグで活躍し、WBCでも日本代表として活躍した大塚晶則が威力のある縦スライダーで名を売り、縦スライダーもその時期あたりからポピュラーになりました。
▼特殊球
中指と薬指の間からボールを抜き、利き腕方向に変化しながら落ちるという軌道で変化します。変化方向はシュートと同じですが、シンカーの方が抜いて投げる分速球との球速差が大きく、一旦上に浮いてから落ちるように見えますからシュートとは区別されることが普通です。
元西武の潮崎哲也、元ヤクルト・メジャーリーグの高津臣吾、元阪急の山田久志などがシンカーの名手として知られています。この顔ぶれからわかるように、サイドスローやアンダースローの投手に相性がいいようです。というより、投げ方やボールの軌道からサイド、アンダーの投手が投げてこそ最大限の威力を発揮するといも言えそうです。
シンカーの左投手版がスクリューという説もあるのに、右投手が開発した球種だという説もあるという球種ですが、左投手がシンカーのような球を投げ、その球の回転方向が船のスクリューと同じだからそれをスクリューボールと呼ぶ・・・という説も。おそらくですが、左でシンカーを投げる投手が珍しかったことと前述の船のスクリューということが合わさって、スクリューボールという名前をつけて区別したのではと思われます。
元も子もない言い方をすると左投手の投げる落ちるシュート系のボールなのですが、左投手対右打者の場合に、外角に逃げるボール、右投手が投げるカーブやスライダーのような用途で使われることが多いようです。
現役では中日の山本昌が使い手として有名で、巨人の内海はチェンジアップのことをスクリューボールと自称しています。過去の選手では元巨人のカムストック(応援歌の歌詞にスクリューボールという言葉が入っていました)、メジャーリーグのバレンズエラなどが印象的です。
ボールを限りなく無回転に近い状態で投げる球種です。いや、投げるというよりはボールにツメを立てて押し出すという投げ方や、ツメでドライブ回転をかけて腕の振りでかけるバックスピンで回転を相殺して無回転にするという方法で投球するケースが多いようです。
押し出すように放たれたボールは大抵が時速80~90キロ程度です。スーパースローで見てもほとんどボールが回転しておらず、ボールの同じ面が見えたまま向かってくるというイメージです。しかしボールにはカーブを描いた縫い目がありますから空気抵抗でボールが変化し少しだけ回転・・・というより角度がズレます。それによってまた違った変化がおこり、その変化によって縫い目にまた違った空気抵抗がかかります。
不規則で連続的な変化と空気抵抗という連鎖が非常に遅い球速によってさらに増幅され、打者からは左右に揺れたり極端に落ちたりという予測が非常に難しい変化をして見えます。いや、打者から見えるというより実際にグネグネと変化しながら落下します。ボールの軌道は投手によってというより、同じ投手でも一球ごとに違っており、捕手が捕るのも大変なんだそうです。ですからナックルボールの使い手とバッテリーを組む捕手は大きなミットを使う場合もあるそうです。
日本のプロ野球では、ナックルボールを持ち球をして持っている投手はいますが、いわゆるナックルボーラーは長い歴史の中でも元広島のジャレット・フェルナンデスくらいです。
ナックルボーラーというのは、ナックルをたまに投げるというのではなく、ほとんどナックルしか投げないという珍しいタイプの投手を指す言葉で、メジャーリーグではフィル・ニークロ、ジョー・ニークロの兄弟、ティム・ウェイクフィールドらが有名で彼らは200勝以上しています。(フィル・ニークロは300勝以上です。)
ナックルボーラーは微妙な感覚が命で、全力投球で肩肘を酷使するということがありませんから、登板間隔が短くて済むとか、長い間現役で活躍できるというメリットもあります。(フィル・ニークロは48歳まで現役でした。)
捕手も捕れないほどの球でしかも長持ちする・・・いいことずくめなのにナックルボーラーの数が少ないということは、それだけ習得が難しい球種だということでしょうね。
▼その他の球種
パームボール
ボールを手の平で包むように持ち、指を立てて押し出すように投げる球種です。球にスピンを与えませんから、球速は遅く、沈んでゆく軌道のボールです。
ワンシーム
1本の縫い目だけに指をかけてリリースし、スローで見るとボールの回転により白いボールに1本の赤い線が入っているように見えます。ツーシームよりも大きく変化するそうですが、1本の縫い目にしか指をかけないためにコントロールが難しいそうです。ダルビッシュが投げたのが日本では初です。
ジャイロボール
一時期魔球として話題になりました。ボールに螺旋回転を与えて投げます。つまり、打者からみて常にボールの同じ面が見えた状態で回転している状態です。フォーシームジャイロとツーシームジャイロがあり、フォーシームジャイロはボールの減速が少なく(初速と終速の差が非常に小さく)、錯覚によりボールが加速するような感覚でタイミングを取りづらくなります。ツーシームジャイロは落差の大きい落ちるボールになると言われています。
▼特定投手の独自変化球(?)
ヨシボール (阪急・オリックス 佐藤義則)
フォークの握りが苦手だった佐藤が、人差し指と親指で挟んで投げた変形フォークですが、落差が大きくフォークとはまた違った独特の変化をしました。
エモボール (南海・阪神 江本孟紀)
正体はカーブと言われていますが、実はカーブの投げ損ないがヘンな変化をしたので、それを「エモボール」と名付けてマスコミに流し、相手チームの撹乱に使ったという説があります。
コシヒカリ (巨人 江川卓)
これはスライダーに名前をつけて相手に意識させるという上のエモボールと同じ発想のボールというのが真相のようです。ストレートに絶対の自信を持っていた江川が、その威力がやや落ちてきたのをごまかすための苦肉の策のひとつで、「コシヒカリなどと名前をつけたスライダーに頼らざるを得なくなった時点で、投手としては終わりかけていた」と語っています。
おもわぬ副産物として、江川はコシヒカリを生産している農家からお米をプレゼントされました。それに味をしめて「マスクメロン」という新球(?)も。冗談で「今度はベンツというボールを投げよう」とも(笑)。
星野スペシャル (阪急・オリックス・阪神 星野伸之)
あまりポピュラーではありませんが、星野が「全力で置きに行った棒球のストレート」で、ある試合で四球を出すくらいなら打たれた方がマシという状況でその場のひらめきで投げてみたところ、そんなボールは通常ではありえませんから打者が面食らってストライクを取れたというのが誕生のきっかけだったそうです。
実際にその後の試合でも状況を見て使っており、打者は「なんだよ、それ」という感じで面食らって結局ワンストライクを取ってしまうという状態だったそうです。
カミソリシュート (大洋 平松政次)
鋭い変化をするシュートで、社会人時代に教わったものの習得していなかったシュートを練習で投げてみたらいい変化をして、わずか6球の練習で自分のものにしたと言われています。
シェイク (ロッテ・横浜・メッツ 小宮山悟)
人差し指と中指で浅く挟んで押し出して投げ、超遅球で揺れながら落ちるという球です。フォームがキャッチボールのようなゆるいフォームで、投球動作の途中でシェイクだとバレバレなのですが日頃そこまで極端に緩い球を練習していないプロの打者には案外有効でした。
イーファスピッチ 多田野数人 (インディアンス・日本ハム)
ボールがテレビ中継の画面から外れてしまうほど、緩い球を上に投げ上げ、超山なりでキャッチャーミットまで届かせてしまうボールで、もちろん多投はしませんが忘れた頃に投げてファンを喜ばせています。小宮山のシェイクと同様に、とっさに対応するのは難しいボールです。すごいのは、ちゃんとストライクゾーンを通過するというところだと思います。
宜野座カーブ(番外)
プロではありませんが、沖縄県立宜野座高等学校の奥浜正監督が考案した宜野座カーブは、通常のカーブとは全く違ったリリースで投げます。手の甲を投球方向へ向けた状態から外側に腕を捻る事で強い縦回転をかける、非常に鋭いブレーキの効いたカーブです。
駆け足で説明しましたが、最初に書いた通り同じ名前の変化球でも投手によって色々な性質を持っています。そこが面白いところとも言えます。また、マンガみたいなオリジナル変化球も色々ありますね。私のような素人野球観戦者にとって、変化球というのは子供の頃からの憧れの対象です。
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