私も落合の考え方に同感である。
野球というのはチーム競技であって、選手ひとりの力で大きく変わるものではない。特に野手の力は投手ほど大きくはない。ひとつの試合でも、へぼな投手が投げたら、それだけで試合はぶち壊しになるが、へぼな野手ひとりが入っても試合にはなる。
ただ、野手は投手と違って毎日のように試合に出るから、観客動員には力があるということである。戦力としては、浅村や丸が抜けても、他の選手がチャンスを得るだけのことである。
経済学で言う、「機会損失」の考え方をすれば、浅村や丸の働きは大きいが、それは他の選手の働く機会を奪っていた、ということでもある。つまり、その存在が１０点満点で８点くらいだったとしても、多くの人が考えるのは０点を８点にしたという想像だが、実は６点を８点にした程度にすぎないことも多いわけだ。
浅村や丸の代わりの選手がたとえば（複数の選手の合算した成績であってもいいが）２割８分１５本塁打７０打点くらい打てば、まったく問題は無いわけであり、そういう選手（たち）がいるかどうかというのが選手層の厚さであり、チーム作りが出来ているかどうかということになる。
西武で言えば、今年はダメだった金子あたりが来季は活躍して浅村の穴を埋めてもおかしくない。広島なら下水流とか堂林、野間などが丸の穴を埋める可能性は高い。それらの選手は浅村や丸の移籍で張り切っているだろう。逆に、FAで移籍した選手でちゃんと働いた選手はほとんどいないのは誰でも知っている。複数年の高額年俸を得て気が抜けるし、責任感の強すぎる選手も新天地のプレッシャーがあるからだ。