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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「僕が話してみましょう」と僕は八田主将に言って、新入部員ふたりのところに行った。まあ、有名な美少女である八田和代と話してみたかったというスケベ心である。餌場に飛び込んできたひな鳥を放っとく狼はいないだろう。もっとも、八田和代は気が強いことでも有名らしいから、ひな鳥はこちらかもしれない。
 「やあ、初めまして。副主将の村上公介です」
 ふたりの新人はぺこりと頭を下げた。
 「八田和代です」
 「沢村南です」
 沢村と聞いて、僕は相手の顔を見た。非常に整っているが、鋭い眼の印象は、沢村恵に似ている。
 「あのう、もしかして、沢村恵の妹さんかな?」
 「はい」
学年が一学年しか違わないということは、いわゆる年子だろうか。つまり、彼女たちの母親が二年連続で子供を産んだわけだ。この少子化時代には珍しいが、まあそれは家庭のプライベートな話だ。
 「なるほど、顔が似ているね」
 「そうですか」
 にこりともせずに言う。そういうところも姉と似ている。
 「実は、君たちにお願いがあるんだが、男子をこの剣道部にひとり勧誘してくれないかな」
 「なぜですか」と南。
 「5人いれば大会に出場できるんだが、僕たちがいくら勧誘しても、なかなか入らないんだ」
 「大会に出場できるというのは、先輩たちの都合ですよね。入るほうがそれで入る気になるかどうか」と和代。こちらも手厳しい。性格が似ている。
 「まあ、確かにそうだな。剣道部のメリットと言っても、男の子には、チャンバラ遊びだから、楽しいよ、と言って誘うしかないが、君たちはまだほとんど経験が無いだろうから、そう誘うわけにもいかないか」
 「和代は未経験ですが、私は経験が3年あります。中学時代はずっと剣道部でした」
 僕は南のにこりともしない顔を見た。そういう顔を見ると、何だか、この子に嫌われているような気持になるが、その根拠の記憶は無い。
 「先輩にとって、剣道とはチャンバラ遊びですか」
 別方向から敵襲が来た。
 「まあ、そうだな。楽しいから、遊びと言っているんだが、そういうのはダメかな」
 「少し不真面目だと思います。体を鍛え、精神を鍛えるものではないのですか」
 「精神ねえ。まあ、精神を鍛えれば強くなるとは思うけど、どうしたら精神が鍛えられるか、僕は分からないなあ。まあ、主将にでも聞いてごらん」
 と言って、僕は早々に退散した。これほど難敵だとは思わなかった。

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