和製アニメの打線はどうでもいいが、最近ネットフリックスでサウスパークを見始めたので、内容理解の参考になるコメントもいくつかある。
昔、少し見たこともあるが、その時には、面白いけど熱中して見るほどの風刺レベルではない、と思っていた。だが、今、ネットフリックスで放映されているあたりは、凄いレベルの風刺アニメだと思っている。これを見ていれば、社会の表と裏というものが大体分かるのではないか。そういう意味では「教育的アニメ」だと思う。
登場人物の中ではカートマンというキャラが凄いと思う。最低最悪の性格なのだが、実に商才があり、また権力の使い方が上手い。これこそ、まさに実社会で成功する人間の象徴だろう。性格が最低最悪だから、モラルに縛られず、純粋に合理的な行動ができるわけだ。
カイルというユダヤ教信者の子供が一番モラル的にまともである、という描写を見ると、制作者がユダヤ人なのだろうと思われる。ただし、ユダヤの神が不合理な神である（神は人間の理解を超えているものだ、という、ユダヤ教の正統的な信仰かもしれない。）という描写もキチンと描かれている。
また、主人公たちは子供らしいアナーキーな行為もするが、子供らしく簡単に騙されたり何かを怖がったりもする描写もあり、社会批評の大人性と行動の子供性が実に上手くミックスされている。主人公たちより低年齢の子供たちの無邪気さも可愛く描かれている。
大人のほとんど全員がクズである（カートマンの母が実に善人であるのが例外か。その子供が最高のクズであるのが面白い。）のが、素晴らしい。

和製サウスパークになり損ねたアニメで打線組んだ