特に面白そうなアニメも無いので、「宇宙兄弟」などという古い(か?)アニメをずっと見ているが、凄い「水増し」アニメである。「前回までのあらすじ」「オープニング」「エンディング」に、最近はどうでもいいような「おまけアニメ」まで付いて、それだけでおそらく10分くらいかかる。つまり、アニメ本体は正味20分くらいであり、もしかしたら15分くらいかもしれない。しかも、その中には過去の回想がうんざりするくらい出て来る。また、新しい人物が登場するとその人物の過去のエピソードが必ず長々と描かれる。で、内容は、NASA万歳、JAXA万歳、宇宙パイロットは偉い、凄い、英雄だ、という話だけである。NASAやJAXAからカネでも貰っているのか。
はっきり言って、NASAやJAXAなど、本当に存在価値があるのか、と私などは思う。宇宙開発とやらに使う膨大なカネを貧民救済や世界の不幸や不正の救済に使えば、はるかに意義があるだろう。しかも、その宇宙開発の成果とされている月着陸がフェイクである可能性は高いわけだ。もともと、宇宙開発は軍事研究だと私は思っている。だから膨大なカネを使うのを政府が了承するのである。
NATOは、2019年首脳会議において宇宙を陸・海・空・サイバーと並ぶ「第5の作戦領域」であると宣言している。2020年には、ドイツのラムシュタインに新たに宇宙センターを設立することが合意された。
まあ、アニメの中身もかなり首をひねるところがあり、南波兄弟がえらく厚遇されているなあ、という感じだ。特にヒビトへの厚遇が異常である。パニック障害になったヒビトの治療が長々と描かれるのだが、宇宙に行きたいパイロットは無数にいると描きながら、なぜ「飛行士不適格者」となったパイロットをそれほど厚遇するのか。他のパイロットに機会を与える好機ではないか。私が上司なら、ヒビトは即座にクビである。クビにはしないまでも閑職につけ、それが不満ならやめてもらう。それが、パイロット志望者たちへの公平な処遇になる。
まあ、主人公補正だと言えばそれまでだが、私などはヒビトにもムッタにも特に魅力を感じないので、こうした一部の者への「特別扱い」が、現実社会なら不快そのものだろうなあ、と思うわけである。
なお、この話の「現在時点」が、2024年頃だと思うが、この中では既に月基地が出来ている設定である。実際できているのか? そんな話は聞いたことがない。月で建設作業をするなど、月着陸以上の難関だろう。ところが、ヒビトは月に降りただけで大はしゃぎなのである。既に月基地もできているのなら、月着陸(上陸と言うべきか。月面歩行である。)など、もはや「当たり前」ではないのか?
一言で言えば、広告屋が企画して作ったような漫画・アニメである。すべてに「あざとい」。小山宙哉が広告屋出身なら、お笑いである。
京都市立西陵中学校、京都市立銅駝美術工芸高等学校、大阪市立デザイン教育研究所を卒業。デザイン会社のサラリーマンを経て、『モーニング』に持ち込みをした『ジジジイ』で第14回MANGA OPEN審査委員賞(わたせせいぞう賞)受賞。『劇団JET'S』で第15回MANGA OPEN大賞受賞。
(参考)学研「マナビスタ」から転載。
【第3回】月につくる「宇宙ステーション」と「月面基地」
もうすぐヒトは、月の基地をつくりはじめます。しかも2つ、つくります。
ひとつは、月のまわりをグルグルと周り続ける宇宙基地です。つまり、まっ暗な宇宙空間にポツンと浮かんで、音もなくスーッと飛びつづける宇宙ステーションです。
名前は『ゲートウェイ』。2024年につくりはじめようとしています。ヒトが月のまわりを周る宇宙ステーションをつくるのは、これがはじめてです。
もうひとつの基地は、月の地面につくります。そうした基地を『月面基地』といいます。
いまから50年くらいまえ、ヒトははじめて月面に立ちましたが、それからはだれも月へいっていません。ヒトが月面基地をつくるのは、もちろんこれがはじめてです。
「ゲートウェイ」って、どんな基地?
月のまわりを飛ぶゲートウェイは、ヒトがはいれる大きなドラム缶のような部屋を、ひとつずつロケットで打ち上げて、それを宇宙空間でつないでつくります。このドラム缶のような部屋のことを「モジュール」といいます。
モジュールのなかには空気があるので、宇宙服を着なくても生活できます。フワフワと浮きながらごはんも食べられるし、トイレもあり、寝ぶくろで寝ます。でも、お風呂はありません。
宇宙飛行士の野口さんや若田さんを知っていますか?
2人も宇宙基地に住んでいましたが、彼らが乗ったISS(アイ・エス・エス)という宇宙ステーションは月ではなく、地球のまわりを周っています。
「月面基地」って、どんな基地?
月の地面は、サラサラの砂でおおわれています。その砂を「レゴリス」といいます。
月面基地をつくるとき、地球から材料をもっていくと、ロケットをたくさん打ち上げる必要があり、お金がたくさんかかります。
なので、このレゴリスを3Dプリンターで固めて基地をつくります。つまり、3Dプリンターの機械と、それを動かすための太陽電池パネルさえあれば、いくらでも基地がつくれるのです。
こうした月面基地のつくりかたは「ESA(欧州宇宙機関)」というヨーロッパのグループが考えたものです。
日本も計画に参加してるって、ホント?
アメリカのNASA(ナサ)は、2024年くらいから、ゲートウェイをつくりはじめようとしています。そして、いまから10年くらいの間に、月面基地をつくりはじめます。
このふたつの計画には、日本の宇宙航空研究開発機構「JAXA(ジャクサ)」も協力をしています。また日本の自動車メーカー「トヨタ」は、そこで使う月面車をつくっています。
もし、きみが宇宙飛行士になったら、そのときはゲートウェイも月面基地も完成しているでしょう。
きみたちは月の基地をつくるヒトではなく、使うヒトなのです。
きみたちがつくるのは、きっと火星の基地ですね。