コレクターは基本的に「偏執狂」であり、「変質者」の一種だ、というのはずっと昔にウィリアム・ワイラーが映画「コレクター」で描いている。だから、この事件を現代大衆一般の心理と結論するのは少し飛躍があるような気がする。
もちろん、小田嶋師の真意は、「人権を抑圧されても怒らない市民」を情けなく思う気持ちにある、というのは歴然としているのだが。
(以下引用)
小田嶋隆 @tako_ashi · 14 時間前
基本的人権が抑圧されても冷静さを失わない市民が、消費者としての権益を侵害されると怒り狂うわけです。
21世紀のわが国の社会で最も一般的に共有されているモラルは、「消費は正義」てなことだったりするわけだ。
つまり、「市民意識」や「人権感覚」より「消費者マインド」の方がずっと切実で、「正義」の暴走に火をつけやすいわけで、だからこそ「タックスペイヤーとして」だとかみたいな言い方が発明されて政治に利用されているのだな。「カネ払ってるのに対価に見合ったサービスが提供されてないぞ」と。
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東京駅の騒動を眺めていて感じるのは、「抑圧された市民」や「裏切られた民衆」より「適切に処遇されなかった消費者」の方が暴徒化しやすいというこだな。
きょう2014年12月20日、東京駅が100周年を迎えたが、駅では一時、警察も出動する騒ぎになった。
100周年を記念して、JR東日本は「記念Suica」を発売した。しかし人気が集まりすぎて、客が殺到。販売会場になっている丸の内南口は、駅員への怒声が響き、駅長による謝罪アナウンスまで行われた。
東京駅長が謝罪アナウンス
警官が誘導(12月20日11時撮影)
今回の騒動の発端となった「東京駅開業100周年記念Suica」は、12月20日8時に販売開始予定だった。1枚2000円(デポジット500円を含む)で、限定1万5000枚。ひとり3枚までの購入で、東京駅の丸の内南口ドーム内特設ブースで販売された。
限定数が少ないとあって、ドーム前には前日夜から「徹夜組」も登場した。しかし、駅構内に張られているポスターには「前日からお並びいただくことができません」と書かれていたため、それを守った購入希望者と駅員らがもめていると20日早朝からツイッターなどで話題になっていた。
記者が20日10時45分、丸の内南口改札を訪れると、自動改札機は止められていた。駅員に「混乱が理由ですか?」と聞くと、「そう、だと思います」と返答した。八角形のドームの中には、人がビッシリ。ひと目で混雑の様子がわかった。
行列をなす人々に、駅員が「これ以上駅構内の方にはいられますと、お客様の将棋倒し等々、重大な事故につながる恐れがあります」と呼びかけると、購入希望者は「対応しろ」「代わりのもの(Suica)を出せよ」「ちゃんと説明してください」などと怒声をあげる。
駅構外へ出ると、警官による交通整理が行われていた。「立ち止まらないでください」「駅ご利用の方は(丸の内)北口の方へお願いします」などと誘導するも、ドームへ続く行列が続いた。
記者が到着した時点では「『東京駅100周年記念Suica』は販売終了しました」の駅員アナウンスだけだったが、のちに東京駅長によるアナウンスに変更された。それによると、駅長の判断により10時40分に販売を中止したという。
駅長は「大変申し訳ございません」と謝罪し、今後のSuica販売は「わかり次第、メディア等を通じまして、皆さんにお知らせをいたします」とアナウンスしていた。なお、記念Suicaは、すでに「ヤフオク!」などのオークションサイトにも出品されていて、20日正午現在で4万円の値をつけているものある。
(2014年12月20日15時追記)JR東日本は20日午後、WEBサイトにコメントを掲載した。販売が中止されたのは「9時40分」で、今回の記念Suicaについては「今後発売します」と発表。詳細については「別途お知らせさせていただきます」としている。