冨樫流 キャラクターの作り方
冨樫 教えられるのはキャラの人柄を読者にうまく伝えられる手練手管まででね、キャラの人柄自体は大抵作者の人柄を反映したものになりますから、それは教わってどうにか出来るものではないですし。
その伝え方を以下のように語る。
冨樫 あ、基本的には漫才ですよ。大好きなんです漫才。
冨樫 基本的にはこう・・・ネームにする前に紙にキャラ達のセリフのかけ合いを書き出すんですよ、ザーっとね。その中でキャラ同士がそいつらしさを守った上での最良の一手をボケツッコミみたいな感じでバンバンかぶせていくんです。そんで論理展開させてってー最後は主人公がそのずっと上をゆく解(オチ)を打ち出す!そんな感じです。これならそれぞれのキャラも引き立つし主人公も立てられるでしょ。ハンターの序盤は特に意識してそういう作り方をしてましたね。
キャラの行動を検証する
冨樫 例えばキャラが二人いて片方が『俺はこっちに行って戦う』もう一方は『俺はこっち』と別行動する展開にしたいとしますね。作中では省略されていてもそういう展開になるまでの経緯をセリフのかけ合いとして紙に書き出してみるんです。ホントにそんな結論になるのか?という検証作業みたいなもんですね。その過程で『あ、こいつの性格だとこっちに行きたいとは言わないな』となったらその展開はボツにします。
冨樫 ていうか僕自身そういう事やっとかないと不安なんですよ。そいつがちゃんと生きてて自分で判断してる様に思えないと・・・
理不尽さを無くし、キャラが戦いに死力を尽くせるようにする
冨樫 で、そういう判断ってギリギリの死線をくぐらせた方が際立つじゃないですか、そういうとこにチャレンジしたいなっていうのは常々思ってたんですよ。というのもね、ヒーロー戦隊ものってあるでしょ?あれ子供の頃始めて観た時にポーズ決めてる主人公に一切手を出さない敵に納得がいかなかったんですよ。逃げもしないし、敵が自分の能力や弱点を大事なとこでペラペラ喋っちゃったりとかね。子供ながら理不尽すぎるだろって思ってたんです。だからなるべくそうしたくはないんですよ、全員が死力を尽くしてる感じを大事にしたいというか・・・