ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です
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野球の話題も無いので、今日は、現在の日本でもっとも求められている種類の映画は何か、ということを考えてみる。
まあ、考えるまでもなく、それは「ロマンチックコメディ」で、しかもエロ成分は極力見せないものである。
エロについては異論もあるだろうが、少なくとも、ベッドシーンまで行かない、というのが大事だ。と言うのは、ここでは実写映画を想定しているのだが、その映画の主人公の男優にもヒロインの女優にも、それぞれ熱烈なファンはいるわけで、そういうファンが、自分の愛する俳優が他の男や女と寝る場面を見て嬉しいか、あるいは、女優ならば、その裸を衆目にさらしている姿を見て嬉しいか、ということだ。
その前に、現在もっとも求められている種類の映画が「ロマコメ」だ、という点について言えば、去年の大ヒット作が、映画では「君の名は。」、であり、テレビドラマでは「逃げ恥」だったことを考えれば、これは論証する必要は無いだろう。つまり、人が死んだ、殺された、いじめた、いじめられた、という話にはだいたいの人間はうんざりしている、と私は見る。まあ、「声の形」という作もあるが、あれは「感動作」だと思うからある程度の人が見たのだろう。原作ファンも足を運んだだろうし。
いずれにしても、映画やテレビを見て、どす黒い印象を残すのは、もういい加減うんざりだ、というのが世間一般の人間の気持ちだろう。暗い話、犯罪の話は現実だけで十分だ。
もちろん、話自体が良くできていて、演出も良く、俳優の演技もいい、となれば、犯罪の話だろうが、戦争の話だろうが、人が大量に死のうが登場人物が不幸になろうが見る、という層もかなりいるとは思う。「ブレイキング・バッド」などは、そうした作品の代表的なものだ。だが、現在のような暗い世相の中で、テレビや映画でまで暗い内容、残酷な内容の話を見たい、というのは、それ自体が異常者的だ、と私は思う。で、海外ドラマは、たいていがその種の残酷で暗い話なのである。(それだけ犯罪や争いごとはドラマ性がある、と向こうの作り手は考えているのだろう。)そして、日本映画も、そういう陰鬱な内容の作品ばかりがやたらと作られ、コメディはコメディで、一部の人間にしか好まれない単なるおふざけ作品ばかりである。見て楽しく明るくなるようなものはほとんど無いのではないか。
しかも、「ロマンチック」成分はほとんど無い。女がパンツを見せればギャグになる、という「みんな、エスパーだよ」のような低級なものをコメディだと思っている阿呆たちが日本映画を作っているのである。まあ、私も「変態仮面」のようなのは許容できるが、あれはあれでギャグセンスがわりとある監督だからいいのである。ギャグや喜劇の才能の無い脚本家や監督が日本には多すぎる。「変態仮面」や「アオイホノオ」「勇者ヨシヒコ」の福田雄一にしても、「ロマコメ」は作れるかどうか。
日本の脚本家でコメディを書く才能があるのは、やはり三谷幸喜だろうが、彼にしても、笑いが「滑っている」ことは多い。コメディを作る才能は世間には滅多に無いのである。
まして、コメディの撮れる監督はもっと少ない。山田洋二のような、喜劇の才能の無い監督が延々と喜劇映画のシリーズを作っていたのが日本映画界なのだ。
というわけで、今の日本の映画界に欲しいのはロマコメの作れる映画監督、昔のオードリー・ヘップバーンやケーリー・グラントが出るようなロマコメの撮れる映画監督である。なお、宮藤官九郎の映画(脚本)もロマコメではない。観客を選ぶタイプのひねくれた喜劇である。
ひとつのヒントだが、昔のヒットコメディで、今見ると正視に堪えないような下手な演技、下手な演出の作品をリメイクする、というのを提案しておく。岡崎友紀の「奥様は18歳」など、今のタレントを使って学園ドラマにするのに最適ではないか。演技は今の子供たちのほうが上手いのではないかと思う。今の漫画のドラマ化や実写化をしても失敗することが多いが、過去の作品の中にこそ、いいアイデアは転がっているのではないだろうか。
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