(訳者注) 映画みたいな話ってあるもんなんだなあと思います。
バチカン(ローマ法王庁)のことを日々報道する機関というのはキリスト教系を除けば、一般紙ではイタリアのメディアくらいしかないのですが、そのイタリアの新聞ラ・レプブリカの報道の内容が他の国でも報道されていて、それを読んで「映画みたい」と思った次第ですが、それがどういう内容かというと、まず前提として、
・バチカンは世界で最高峰のセキュリティレベルを誇るコンピュータシステムを持ち、その中にありとあらゆるバチカンに関わるデータを保存している。
ということがあります。
バチカンのコンピュータシステムのセキュリティの高さは、アメリカの国防総省などよりレベルが高いといわれるほどで、そのセキュリティを破るのは、世界中のハッカーたちの「目標」のひとつですが今までそのような人物はいませんでした。・・・あるひとりを除いて。
そのひとりとは、三十代の若きハッカーでした。
名前も国籍も性別もわかりませんが、ここでは「彼」としておきます。
彼は、歴史上で(多分)唯一、バチカンのセキュリティ・システムを破り、バチカンのコンピュータ・システムに侵入することに成功したのでした。
それがいつかは明らかにされていません。
つまり、その人物は「バチカンの極秘情報データにもアクセスした」ということになり、これらの情報にふれるのはバチカン内部のごく上層部の一部以外の人間では、歴史上で初めてのことだったと思われます。
つまり、民間人が、キリスト教の真実の歴史から現在のバチカンの現実のすべての情報を入手したという、とんでもない事件が起きたのでした。
これが起きたのはいつかというと「それはわからない」のです。
そして、その人物は誰かというと・・・「それもわからない」のです。
どうしてその情報が外部に流出しなかったかというと・・・。
これがバチカンのすごいところですが、バチカンは大きな犯罪捜査網を持っており、それはネットワーク犯罪にも対応しています。なので、「犯人」が誰かはわりと早く判明したのです。
怒りのバチカンは重大な罰を彼に・・・と思いきや・・・なんと、バチカンはそのままそのハッカーをバチカンのコンピューターセキュリティのチーフエンジニアとして雇ったのです。
多分、そのせいで、その「ネタ」は流出しないで現在に至っているようです。
そのハッカーが盗み出したデータは、それはもう、巨人の原監督のネタどころではない「世界を揺るがす超特大ネタ」である可能性もあるわけです。もしかしたら、「キリスト教がこの世から消えるほど」のことがらも含まれているかも知れません。
ほんの少しでも、流出してはいけない。
そのためにバチカンはそのハッカーを「身内にした」のでした。
ところが、イタリアの新聞報道によりますと、
・その元ハッカーが失踪した
らしいのです。
このことは、こちらのイタリア紙の報道では、バチカンの上層部(枢機卿)の人が直接述べていますので、ある程度信頼性は高いと思われます。
▲ 報道機関に元ハッカーの失踪について語ったバチカンのタルシーショ・ベルトネ枢機卿。
元ハッカーの彼は、「莫大な情報」へのアクセスコードを持ったままだと思われます。
さて・・・・・・。
さてさてさて。
どうなりますかね。
というわけで、そのことが書かれてある新聞記事をご紹介します。
イタリアの記事を短くまとめたロシアのニュースサイトのものをご紹介します。
ちなみに、下の記事にはありませんが、イタリアの新聞によれば、このハッカーは、元 CIA という経歴もあるようですので、米国人である可能性もあります。
Ino Pressa 2012.06.14
バチカンの極秘情報を持つ元ハッカーが謎の失踪。彼は法王のすべての秘密の鍵を持つ
イタリアの新聞「ラ・レプブリカ」の報道によると、バチカン(ローマ法王庁)のコンピュータシステムのチーフプログラマーとしていたエンジニアが失踪したことが判明した。
「ラ・レプブリカ」によれば、その人物は、バチカンの内部コンピュータにアクセスするためのすべてのコード、アクセス権(アクセスするためのバスワードなど)を所有しているという。つまり、バチカンの秘密内部文書のすべてに接触することのできる人物なのだ。
その人物の名前はこれまで一切公表されず、バチカン内部で働いている人たちもその名を知らないという。
わかっていることは、現在36歳の元ハッカーということだけだ。
彼の名前は知らなくても、バチカンの人々は彼の「業績」について知っている。その元ハッカーは以前、バチカンのコンピュータ・ネットワークのセキュリティシステムを突破して侵入したことがあったのだ。
バチカンの調査で、不正アクセスがその元ハッカーの仕業であることは、かなり早い段階から分かっていたが、バチカンは彼を処罰するのではなく、彼を「バチカンに雇った」のだった。
しかも、バチカンのファイヤーウォール(コンピュータセキュリティの名称)のプログラムを作る責任者として。
ちなみに、米国のコンピュータ専門家たちによれば、現在のパチカンのコンピュータシステムのセキュリティは、米国のインテリジェンス機関(諜報、国防など)のシステムのセキュリティのレベルよりもはるかに高いという。
その特別に高度なセキュリティシステムを作成したのも彼だと思われる。
今や失踪したその元ハッカーは、「世界で唯一、バチカンのコンピュータ・ネットワークに自由自在にアクセスできる人物」となっている状態だと思われる。
彼がなぜ失踪したのかはわかっていない。
(訳者注) そういえば、5月の話ですが、英国のデイリーメールで「キリスト教の存在を脅かすとイランが主張する本が発見される」というものがありました。
・Seized from smugglers, the leather-bound 'gospel' which Iran claims will bring down Christianity and shake world politics
▲ トルコで発見されたとされる動物の皮に記された福音書。バルバナという人による本物の福音書である模様。
その記事の内容は、大まかには、
・動物の皮に書かれたその本のテキストはイエスの弟子のひとりバルナバによる本物の福音書であると考えられる。
・この本の内容から、イランは、キリストは磔(はりつけ)にされなかったと主張している。
・この本は2000年にトルコで見つかったが、バチカンがその現物を見たいと申し出ている。
・この本の内容から、イランは、キリストは磔(はりつけ)にされなかったと主張している。
・この本は2000年にトルコで見つかったが、バチカンがその現物を見たいと申し出ている。
というものでした。
これはつまり、イエスの弟子のひとりである人による福音書のひとつを、現在のバチカンは読んでいないということになりそうです。
ちなみに、このバルナバという人は以下のような人のようです。
Wikipedia より。
バルナバ
バルナバは新約聖書の『使徒行伝』に登場する初期キリスト教会のメンバー。正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会で聖人とされているほか、正教会では七十門徒に数えられている。
『使徒行伝』によれば、バルナバ(慰めの子の意味)と呼ばれていたこの人物は本名をヨセフといい、レビ族の出身で、キプロス島生まれのユダヤ人であった。
▲ バルナバ像。