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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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流刑囚という人物の映画評論に少し感心したので、他の映画についての評論として、私が最近ネットフリックスで見ようとして15分くらいで視聴放棄したままの「すずめの戸締り」の評論を読んでみた。本作を「少女漫画」にたとえているのは少女漫画についての無知さを示しているが、世間の「常識」としての「目にお星さまキラキラ、背景にお花を背負う」少女漫画を意味しているのだろう。それは、女性漫画家自身が(たとえば「ダンジョン飯」などで)自己パロディしているところだ。つまり、本気でそれを少女漫画と思い込むのは頭が昭和後期で止まっている。
それを除けば、見事な評論で、頭のいい人物だと分かる。

(以下引用)

流刑囚の映画百物語~第65回『すずめの戸締まり』(’22日)

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流刑囚
流刑囚
2023年4月7日 21:38





画像
 私流刑囚がその時々で見た映画を紹介するコーナー。第65回は『すずめの戸締まり』。


本作の5点満点評価は…

コンセプト…2点
カメラワーク…2.5点
ビジュアル…2.5点
脚本…2.5点
総合評価…2.4点


 「わたし、行かなきゃ…!」

 本作を端的に表わしたセリフであろう。
 
 登場人物の主観的に行かなければならない理由がある。そして人物の表情や背景、劇伴などから察するにそうしなければならないのであろう、ということに共感もできる。ただしこの映画を見た人で「なぜ主人公は行かねばならないのか?」を論理的に説明できる者はほぼいないのではないだろうか?無論筆者もまたその一人なのである。

 それこそ主人公の叔母である「たまきさん」の視点である。普通映画(というか物語表現)では劇中に主人公に無理解な人物が存在するとして、観客はより俯瞰的な視点で「いやそうじゃないんだよ!」とツッコミを入れることができるものが、しかしこの映画にはこれがない。論理的に突き詰めて考えていくとこの映画はかえってわからなくなる。

 ただし脚本は構成としてはきちんとした三幕構成になっており、それも相まって不思議とそれほど違和感を覚えずにスルスルと見れてしまうのも確かだ。重ねて言うが主人公の思考回路や劇中世界の構造などについて理屈で考えてはいけない。またしても劇中のセリフを借りるなら「身を任せる」のだ。

 本作は言わば「動く少女漫画」だろう。主人公が何かを悟ったり感情を昂ぶらせたりすればそれに応じて画面が(雨粒が星が光の粒子が)キラキラと輝く。お花の咲いた草原が風にざわめく。まあそういうものだと考えればそれはそれで悪くはない。その美しい絵柄はクリスチャン・ラッセン的なのだがやはり日本の一般大衆はラッセンが好きなのだろう。ラッセンのイルカがネコに置き換わったような。彼の絵が売れたのはただ単に時代がバブル景気だったからではなく、やはりそれが日本の大衆の琴線に触れるものだったからなのだ。

 また「必死で母親を探す子供」の場面などはこれまた日本で大人気の「はじめてのおつかい」的であり、やはり日本人なら感涙必至だということなのか。

 「あなたは光の中で育っていくんだよ」というセリフはあくまで劇中世界の結果論でしかなく、それを「メッセージ性」として一般論化することはあまりにも楽観的認識が過ぎる。ただまあ、これも子供向け、少女向けの「マンガ映画」だと思えばそこまで目くじらを立てる必要もあるまい。細けえことはいいんだよ。

 総合的に見ればティーンエイジャー向けの作品としてはまあよく出来ており、中国や韓国などで大ヒットしているのも頷ける。10代少女の頭の中を具現化したような作品。ただし20代も半ばを過ぎた人間、特に男性でこの作品を楽しめる人間はあまりいないかもしれない。もしいたとしたら、まあ、ちょっと人生舐めすぎかもしれないよ?

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