これらの予想で見るべきところは、実はこれが「客観的に見た各球団の戦力」を示している、ということだ。そして、予想の平均値より上に行ったチームの監督は能力が高く、平均値より下のチームの監督の能力は低いということである。
そういう目で見たら、はっきりと無能なのがヤクルトの小川監督であるのは明白だ。ほとんどが下位予想はしているが、最下位を予想した評論家は少ない。
そして有能なのが中日の与田監督だが、チームを建て直すのにシーズン後半までかかったために4位か5位で落ち着きそうなのは仕方がないところだろう。しかし、チーム改善という点では一番大きな仕事をしたのではないか。私も最初からヤクルトと中日は最下位候補としていたが、与田の監督能力は合格点だろう。
阪神の矢野は戦力相応の結果であるわけで、有能でもないが無能でもない。
巨人の原、DeNAのラミレス、広島の緒方もまた戦力相応の結果を出したわけで、しかし、最後の逃げ切りは原の力量だろうから、優勝した巨人の原が一番優秀であるのは動かないだろう。
競馬で「馬8人2」とか「馬7人3」とか言うが、プロ野球も「監督3戦力7」くらいの比率で監督能力がチーム成績を左右すると思う。これは大きな比率であり、監督交代で最下位から優勝という例もよくあることである。もっと適切な判断方法を言えば、たとえば監督能力が「1~5」くらいあり、球団ごとの戦力比が「5~10」あると考えると現実に近いだろう。
戦力が5のチームに監督能力5の監督が来ても、その和は10であり、戦力10のチームに監督能力1の無能監督がいる場合の和が11であるのには及ばない。まして、戦力5のチームに監督能力1の監督では最下位まっしぐらだろう。
ちなみに、私の監督能力判断では、「原4、ラミレス3、緒方3、与田3、矢野2、小川1」である。矢野には「大局観」が無いように見える。ラミレスも大局観は無いが、短期決戦での勝負勘はあるので、3点は上げてもいい。緒方はその反対で、短期決戦では無能の極みである。与田は、あるいはラミレスや緒方より上かもしれないが、現時点では3としておく。
なお、チーム力は、精神力を含めて「巨人8、横浜7、広島7、阪神6、中日6、ヤクルト5」といったところだろう。ただし、シーズンスタート時点では中日の戦力は5だった。巨人のチーム力は、どちらかと言えば「巨人という名前」への誇りから来る精神的な部分が大きく、それ以外の実質戦力では横浜広島と同じくらいだと思う。その誇りと自信を取り戻させたのが原であるわけだ。逆に持てる戦力を使いきれず、前半戦の馬鹿な敗戦続きで2位に終わったのが横浜である。
PR