エンゼルス大谷翔平投手(23)が、メジャーの環境への対応に苦しんでいることを吐露した。メキシカンリーグ・ティフアナとの練習試合で、渡米3度目の登板。「引っかけ」や「抜け」が目立ち、3回6安打6失点と乱れた。


 「あーっ!」。練習試合で客席もまばらとはいえ、マウンドの大谷の声が、球場全体まで響き渡った。3回無死一塁。4番の右打者ハンカードへ、この日2つ目の死球を与えた。90マイル(約145キロ)の直球は制御不能だった。「試合レベルで投げたときの引っかかり具合とか、抜け具合だったりとか、そういうのは(課題として)はっきりしてきている。ボールやマウンドの違いだったりのアジャストは、やっぱり慣れていない」。思うように投げられないジレンマが、言葉の端々ににじんだ。


 直球やカーブの「抜け」に加え、決め球であるはずのフォークが制球できない。2回1死までに投じた3球のうち、2球がワンバウンド(1つは暴投)。以降は封印し、2ストライクに追い込んでも、スライダーに頼るしかなかった。それでも「捨てるわけにはいかないボール」。フォークの精度を高めなければ、投手として生き残っていけない。まずは昨年までと「変えずに」キャンプ入りした大谷だが、「引っかける傾向を頭に入れながら、ブルペンで投げられれば」と、“メジャー仕様”のフォークへ改良を加えていくことにした。(米アリゾナ州テンピ=本間翼、斎藤庸裕)