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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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話だけを読みたい人には関係ないが、今、自分で読み返しても少し面白いので、これも載せておく。地図はコピーできないので省略する。
ちなみに、「虎よ、虎よ」は、とあるSF小説の題名にもなっているが、少し古いイギリスの詩人(画家でもある)の書いた詩である。虎を「美しい存在」と見た、その視点が素晴らしい。

(以下引用)実際には、このメモはほとんど使われていない。


「タイガー、タイガー」創作メモ



Ⅰ 地理その他(第一案)

線吹き出し 4 (枠付き): トゥーラン



[地勢・社会]

サントネージュ:モデルはフランス。農業国。首都オパール。

タイラス:モデルはスペイン。物産に乏しい。海洋国。策謀家が多い。首都ランザロート。

トゥーラン:モデルはポルトガル。海洋国。農業も豊か。首都ランザネグロ。

ユラリア:モデルは昔の北欧。バイキング的性格。首都ノルデン。







[物語・人物・その他]

1 アベンチュラを主人公にするのは中止。少なくとも、物語前半では出さない。その代わり、美剣士クレセントを出す。「不乱剣朱太郎」における黒百合の役割。出す時期は未定。アベンチュラは戦争状況で主人公たちの同盟者として登場。



2 戦国状況を作り出す。



3 タイラスでの騒動を考えること。:いわば、「グイン・サーガ」におけるケイロニアの騒動である。しかし、国王を救うか、国王と敵対するか。前者の場合は、国王の造形をやり直す必要がある。もう少し、前に遡って書き換えるか。

①  タイラス宮廷の主要人物を作ること。

宰相ケアンゴーム(ある意味、平凡な悪の欲望を持った人間だが、それなりの人間的魅力もある人物。) 

ラモス大公:王弟で王座に野心を持つ男。33歳。ユラリアと通じている。

モーハン侯爵:ラモスの腹心。52歳。

ランケ子爵:ラモスの懐刀で剣の達人。知恵もある。クレセントとは仇敵。

レヴィ公爵:国王の友人。財務大臣。老齢。トゥーランとの同盟を図っている。

レーム将軍(伯爵):国王派。男盛りの35歳。第二師団長。サントネージュに同情的。

ラシード将軍(公爵):国王派のふりをしているが、本当はラモス派。第一師団長。45歳。

ラガシュ公爵:ラモス派

モンバサ公爵:中立派

騎士ヤスリブ

騎士モハーチ

騎士メネス・フェルド:ケアンゴームの懐刀。暗殺者。

騎士メルブ

法王モンテ・コルヴィソ:腹黒い寝業師。

法王庁侍従モンケ・ハン:モンテ・コルヴィソの腹心。

神父モルガン:善良な宗教人。

騎士マテオ:自由な性格の豪傑。

召使マンスール

商人マリニョーリ

商人マールワール

魔法使いマグリブ

美女リディア

美女アルヴィラ

美剣士クレセント:流浪の剣士で詩人。音楽家。レイピアの達人。

(トゥーラン宮廷)

少年ホージャ

貴公子アル・パスパ:国王の次男:23歳。アル・トーメンの異母弟。

アドワ

アトン

アトレ

アーヘン

アモン

アルコン

アル・ラージ(国王):52歳

アル・トーメン(皇太子):24歳

アル・ムシフ(教祖)

アル・ベンチュラ(=アベンチュラ):アル・ラージの私生児で放浪の騎士:27歳



② サントネージュ復興の義勇軍の話。



③ グエンの虎頭の解明:

A案:この世界はブラーマ神によって創造され、それがヴィシュヌ神とシヴァ神に渡された。ヴィシュヌは生と再生の神、シヴァは死と破壊と創造の神である。ブラーマ神の思念から生み出された「失敗作」、これまでのジャンルに入らない存在がグエンであった。しかし、ブラーマは彼に宇宙の破壊と再創造を行う可能性を与えていた。

B案:宇宙的実験室において生命体の創造を行っていた錬金術師マグ・ワンの手で、虎を父親、人間を母親として生み出されたのがグエンである。彼は秘密のうちに孤独に育てられ、20歳になった時に記憶を奪われてこの世界に投げ込まれた。

C案:サントネージュ王家の古い分家モンブラン家の息子であるグエンは、魔女マギ・ド・スエルの呪いにより頭を虎に変えられ、記憶を失わされて野原に放置された。(記憶喪失は催眠術によるため、キーワードの組み合わせで回復する。)

④ C案採用によって、魔法の世界を導入:ついでに幽霊も導入

可能な魔法は、基本的には「意思の力を物体に及ぼして物理的に変容させる」というもの。

・身体変容 ・記憶操作 ・幻覚 ・幻聴 ・超常的感覚 ・場所の記憶による過去の再現 ・幽霊の操作 ・催眠術 ・薬物の使用による感覚増強



⑤ タイラス宮廷のゴタゴタ



*「グイン・サーガ」におけるケイロニアのゴタゴタは、まず「お家騒動」で、王弟と后妃の不義、国王の暗殺未遂事件があり、それと並行してシルヴィアという跳ねっ返り王女のマリウス恋慕という危ない行動がある。つまり「色と欲」である。宮廷におけるゴタゴタは、それに他国との関係がからむかからまないかくらいだ。



中世の風俗を織り込みながら事件を描くこと。

すなわち「宴会」「歌舞」「槍試合」「狩猟」「教会への参詣」「法事」「王宮でのセレモニー」「徴税」「日常の飲食」「結婚式」「葬式」「病気の治療」「祈祷やまじない」などである。



⑥ まず、グエンたちがタイラスでどのようにして王宮まで行くか。また、どのようにして王宮に入るかを考えること。



・旅芝居の一座として旅をする。



⑦ グエンと山賊の話

・その前に、タイラス宮廷のドタバタを描くか?

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タイガー! タイガー! 1章2章 2017/10/07 (Sat)



「タイガー! タイガー!」  *『グイン・サーガ』の主題による変奏。



初めに



この小説は、栗本薫の大作『グイン・サーガ』のファンではあるが、その冗長な部分やセンチメンタルな部分、あるいは作者の一部の作中人物への偏愛ぶりにはいささか批判的な筆者が、『グイン・サーガ』の発想と一部のコンセプトを利用して作った作品である。一部の作中人物の変更には悪意も少々あるが、それ以外にはべつに原作をからかうような意図はないからパロディではなく、ただの二次創作である。

作中のさまざまな部分で原作に負う部分は多いが、原作では重視されているSF的部分はほとんどカットされ、魔術もその内容を変えてある。また、「新しい世界の創造」という点も、『グイン・サーガ』で達成されているので、それも重視していない。ただ一つ、「未知の場所から来た、獣の頭を持った主人公」というコンセプトと、一部登場人物の類似性だけが、原作と重なる部分である。原作では一つ一つの物産の名称まで特有の名前を与えているが、筆者はそんな面倒なことはしない。蜜柑は蜜柑でいいし、リンゴはリンゴでいい。馬も牛も猫もネズミも同様だ。いちいちトルク(鼠)、ガーガー(鴉)などと書く必要性は私には無い。「新世界の創造神」になる野望は無いからだ。

作品の設定は、この地球の中世初期、まあ西暦900年頃と思ってもらいたい。ただし、実際の歴史とはまったく無関係の騎士物語系統の異世界ファンタジーである。したがって、地名も国名も架空のものである。人物名などは英語系統の名前やらフランス語系統の名前、スペイン語系統の名前などが入り混じって、かなりいい加減だが、度量衡は現実を連想させる名称にしてある。たとえば10ピロと言えば、距離の10キロメートル、重さの10キログラムである。もちろん、中世にはメートル法は存在しないが、現代の人間に想像しやすくするための便宜である。金の単位も架空のもので、黄金100グラムが1マニ、その100分の1が1ミニで、1マニが庶民の1週間くらいの生活費になると思えばよい。作者自身がその設定を忘れなければの話だが。

言葉については、いくつかの国が出てはくるが、すべて共通の言葉が用いられ、ただその訛りや語彙の一部で時には人物の素性が分かるという程度である。人種の区別も無い。せいぜいが、北方の民族は金髪が多く、南方の民族は黒髪が多いという程度である。

作中人物の名前もいい加減で、宝石名を使ったため、サファイア姫などと『リボンの騎士』みたいな名前も出てくる。だが、それは後からソフィという名になるので、気にしないように。





第一章 覚醒





目覚めた時は真昼だった。頭上に高く太陽が輝き、彼をじりじりと焼いている。喉が渇く。体中に汗がにじむのが分かる。

彼は眼をすぼめて、太陽の光から眼を守った。自分の体がなぜこの地面に横たわっているのかわからない。しかし、体に異常は無さそうだ。

彼はゆっくりと体を起こしてみた。どこにも痛みは無い。ただ、喉の渇きは耐えがたい。

彼の横たわっていたのは柔らかく短い草の生えた地面である。

なぜ自分はここに寝ていたのだろう、と考えて、次の瞬間、「自分は誰だ」という問いが突然に心に生じ、彼は恐慌に陥った。

まったく自分についての記憶が無い。だが、言葉そのものの記憶が無いわけではない。空、地面、草、そして風、日光などといった言葉は、彼があたりを見回すにつれて次々に心に生まれる。季節……今はおそらく春の終わりか初夏だろう。暑いが、真夏の暑さではない。



だが、それにしても喉が渇いた。

彼は水を探す決心をして立ち上がった。それで、自分の背が高いことが分かった。かつての自分についての記憶は無いのに、自分の身長が他の「人間」にくらべて高いというかすかな記憶が蘇ったのである。

彼は裸だった。下帯さえもはいていない。激しい羞恥心が心に生まれたが、あきらめて歩き出す。自分の足や体を上から眺めた限りでは、彼は相当にたくましい体格の男であるようだ。しかも、すべてが見事な筋肉に包まれて、どこにも無駄な肉はない。股間を見て、彼はまた羞恥心を感じた。

裸であることを恥ずかしいと思うような文化の中に自分はいたのだという考えが生じる。



少し傾斜した地面を下に下にと降りていくと、小さな木の茂みと小川のせせらぎがあった。

彼はほっと安心して、その川に身をかがめ、両手で水をすくって飲んだ。

何という美味さだろう。喉を下りて行く清涼な水の爽快感。たちまちに癒えて行く喉の渇き。体全体に回復してくる気力と生命感。

彼は木陰を渡るそよ風に体を吹かれながら、生き返ったような感動を味わっていた。

もう喉の渇きは止まっていたが、水の美味さをもう一度味わうために彼は両手で水をすくった。その時、心に何かの違和感が起こった。先ほど、水を飲んだ時、なぜあんなに飲みづらかったのか。両手にすくった水に顔を近づける。その時、彼の眼は、自分の眼の下に突起した物がその水を覆い隠したのに気づいた。

(何だ、これは)

それが自分の顔の一部であることに気づいたのは、次の瞬間である。

彼はすくった水を捨てて、自分の顔をまさぐった。毛に覆われた皮膚。突起した口蓋部。

(何だ、これは!)

彼の心は悲鳴をあげた。

(これは人間の顔ではない。犬? それともほかの何かか?)

彼はあわてて水の淀みを探し、静かな水面に自分の顔を映した。

そこにあるのは、人間の顔ではなく、虎の顔だった。

彼は今度は声に出して恐怖の叫びをあげた。





第二章 逃走



フォックスと彼女は呼ばれていた。ある国での狐を意味する言葉だ。その国でもこの国でも、狐は狡猾な生き物だということにされている。

しかし、彼女はその自分の仇名が嫌いではなかった。それは彼女の剣士としての才能への称賛でもあったからだ。試合で彼女に敗れた相手は、相手が女だから油断したと一様に言った。そう言わない剣士も、彼女の試合ぶりは狡猾であり、男らしく堂々とした戦いではないと言った。そう言われても、彼女は平気である。女である自分が体格も体重もまるで違う相手に勝つには、相手の予測を外して勝つしかない。それが狡猾というなら、日常の剣の修行など、戦場での役には立たないだろう。



フォックスは今、危機にあった。

彼女が仕えていた国の国王が暗殺され、王妃の命令でその娘と息子を、姻戚関係のある別の国に送り届けるという使命を受けたのである。

その娘、つまり王女は10歳、息子、つまり王子は8歳の足手まといな年ごろだ。

王宮に敵兵が押し寄せる直前にフォックスは王女サファイアと王子ダイヤを連れて王宮を脱出した。

王宮を離れて数時間後、夕焼けの空を背景にして王宮に火と煙が上るのが見えた。王妃が自刃し、王宮に火をつけたのである。フォックスはある丘の上から、涙を眼ににじませながらそれを見たが、すぐに踵を返して王女と王子の所に戻り、声をかけた。

「これからあなたたちの叔母であるタイラス国の王妃のもとへ向かいます。これからしばらくは、あなたたちは、サントネージュ国の王女王子であることを他人に知られてはいけません。サファイア様はソフィ、ダイヤ様はダンです。いいですか」

恐怖を押し殺しながら、二人の子供は気丈にうなずいた。



それが二日前のことだった。幼い子供連れだから、どんなに急いでもそう早くは歩けない。王宮からはやっと20ピロほども離れただろうか。

日もかなり斜めに傾いてきている。

ある野原まで来た時、背後から近づく騎馬軍勢の足音が聞こえた。

あたりには林や森は無い。

フォックスは絶望を感じながら、子供たちの手を引いて近くの小さな茂みへ飛び込んだ。

何か柔らかいものを踏みつけたような気がしたが、気に留めている場合ではない。

「うっ……」

うめき声がした。自分の踏みつけたものが人間の体であることにフォックスは気づいた。

「あっ、済みません」

と言いながら相手を見てフォックスは「きゃっ!」と悲鳴をあげた。自分もこんな女らしい悲鳴をあげることができるんだ、と頭の隅で考えながら、彼女は相手を見つめた。

それは、虎の頭をした大男だった。

むっくりと体を起こして、彼女を見ている。

その黄色い眼ははっきりと虎の眼であり、その頭が仮面などではないことが彼女には分った。

「どうか、騒がないでください。悪い連中に追われて、姿を隠したところなのです」

相手の異様な姿に怯えながらも、フォックスはそう言った。今は、この相手の正体よりも、恐るべき追手から逃れることを考えるべきだ。






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