根尾については私はマスコミの過大評価ではないかと思っていたが、投手としても遊撃手としてもA級であり、野球センスも精神の安定性も素晴らしい。総合的には現段階ではナンバーワン選手かもしれない。投手としては柿木も同レベルだとは思う。素質だけなら日大三の2年生投手の井上。
2回戦3回戦と進むと野手の打撃成績がだんだん低下してくるのが面白い。初戦は20世紀枠などのへぼチームと当たって、ポカスカ打つわけだ。それが、投手のレベルや調子が上がってくるとだんだんボロが出てくる。県予選の打撃成績も同様。県予選で5割とか5本塁打とか打っていた選手が本大会ではまったく打てなかったりする。清宮などもそうだが、やはり好投手を打っての成績でないと信頼できない。好投手を打つとは、プロレベルの投手にもある程度対応できるということになるからだ。大阪桐蔭の藤原など、調子は悪いように見えたが、準決勝決勝といい場面で打ったのは、やはり精神力が強いのと地力があるためだろう。
少し残念だったのは、同じ桐蔭の山田二塁手で、私は彼が二年生のころから高く評価していたのだが、決勝ではいいところが無かった。彼がプロレベルかどうか、夏に期待したい。中川遊撃手(三塁一塁も守る)は、地味だが欠点のほとんど無い選手で、かえって評価がしづらい。守備でも打撃でも、いい働きをしても「おっ、凄い」という感じがしないのが損なところだろう。桐蔭の2番打者の外野手や7番の一塁手も同様だ。
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- 智弁和歌山対大阪桐 智弁和歌山に勝ち優勝を決めた大阪桐蔭の選手はマウンド上で喜ぶ(撮影・奥田泰也)
<センバツ高校野球:大阪桐蔭5-2智弁和歌山>◇4日◇決勝
大阪桐蔭が史上3校目となる春の甲子園連覇を達成した。智弁和歌山を5-2で破り春夏合わせて7度目の全国制覇を果たした。
2-2同点の7回、宮崎仁斗外野手(3年)の適時打で勝ち越し。守っては背番号6を付けた根尾昂(3年)が強打の智弁和歌山打線を6安打2失点に抑え完投。昨春に続き2年連続で優勝投手となった。
センバツ大会の連覇は1930年の第一神港商、82年のPL学園以来36年ぶり3校目となった。
試合経過は以下の通り。
智弁和歌山は4回、東妻純平捕手(2年)の2点適時打で先制。
大阪桐蔭は4回、無死満塁から敵失と内野ゴロ併殺打の間に2点を奪い同点。
大阪桐蔭は7回、1死二塁から1番宮崎仁斗外野手(3年)の適時打で3-2と勝ち越し。
大阪桐蔭は8回、藤原恭大外野手(3年)、根尾昂投手(3年)の連続適時打で2点を加え5-2とした。