ラミレス新監督が率いたDeNAの2016年シーズンが終わった。勝率5割には届かなかったものの初めてCSに進出。ファイナルまでコマを進めたが優勝した広島に1勝4敗で敗れた。野球評論家の西本聖氏が今季最終戦となった第4戦と今季の戦いぶりを振り返った。



 -初回の6失点が痛かった


 西本氏 エルドレッドに3ランを打たれて0-5。その後の6点目が一番痛かったと思う。「今日負けたら終わり」という状況の中で最善を尽くすとすれば5点目を失ったところで先発の今永を思いきって代えてもよかったのではないか。ベンチも冷静さを失ってしまったというか、6点目をどう防ぐかを考えるべきだった。


 -結果的に7-8の1点差負け


 西本氏 3回の7点目にしてもそう。2回から藤岡を登板させたが、新井に1安打を許したものの良い投球をした。3回も続投かと思ったが3人目の砂田を登板させて1点を奪われた。藤岡をそのまま投げさせてもよかったのではないか。次の1点をどう防ぐか。ベンチは今の状況、つまり「負けたら終わり」ということを考えないといけない。しかし初回の大量失点でベンチが冷静さを失ってしまった。後手後手に回ってしまった感じがした。悔いの残る戦いだったのではないか。


 -5回には今シリーズで10打数9安打されていた田中広輔と勝負して再び適時打を許した。同じ打者に打たれすぎた


 西本氏 第1戦で3安打された。その反省が生かされていない。短期決戦ではいかにラッキーボーイを止めるかが大事。逆に広島は筒香を16打数1安打、打率わずか6分3厘に抑えた。バッテリーの差が出たというか「ベンチは何をしていたの?」と言わざるをえない。


 -今季のDeNAを振り返って


 西本氏 前任の中畑監督が「強いチームを作っていこう」と4年間でチームを少しずつ変えた。去年は球宴前は1位だったしチームの変化は見えたと思う。そしてラミレス監督が就任。「思い切ったことをしたい」と新人捕手の戸柱を使ったり、オープン戦ではベンチから捕手にサインを出したり。内角をどんどん使うなど今までにないもの、足りなかったものを少しずつ変えていこうという意思が選手に伝わったと思う。


 -今季の躍進がきっかけとなりDeNAは強いチームになっていけるか


 西本氏 今年、初めてCSに行って、選手の気持ちが変わると思う。練習から集中してやればレベルが上がっていく。そして、今までの野球とどう変わったのか。勝つためには何が必要なのか、個々が見つめ直す必要がある。来年につなげられる今日の負けであってほしい。