「遥かなるティペラリー」がどういう歌か以前から興味があったので、とりあえずその歌詞だけを備忘のために転載しておく。
(以下引用)
遥かなティペラリー |
作詞・作曲:ジャック・ジャッジ(Jack Judge)、ハリー・ウィリアムズ(Harry Williams) |
1. 或る日 大ロンドンにやって来た アイルランドの若者。 街路は一面輝いて 人々は皆きらびやか! ピカデリー街やストランド通り、 レスター広場を謳う声が聞えて来る。 アイルランドっ子は逆上せて 彼らにこう叫んだのだ。 (繰り返し) |
1. Up to mighty London came An Irish lad one day, All the streets were paved with gold, So everyone was gay! Singing songs of Picadilly, Strand, and Leicester Square, 'Til Paddy got excited and He shouted to them there: Refrain: |
(繰り返し) 遥かなティペラリーよ、 そなたへの道程は遠い。 遥かなティペラリーよ、 そこなる愛しき娘子よ。 ピカデリー街がなんだ、 レスター広場よさようなら。 ティペラリーへの道は長くとも、 思いはいつも かしこにぞある。 |
Refrain: It's a long way to Tipperary, It's a long way to go. It's a long way to Tipperary To the sweetest girl I know. Goodbye Piccadilly, Farewell Leicester Square, It's a long long way to Tipperary, But my heart lies there. |
2. 愛蘭児は故郷のメアリーに 一通の便りを書いた。 「承諾してくれないのでしたら そう書いて寄こして下さい! たとえ綴りが間違っていても 親愛なるメアリーさん、 それは筆が悪いのです、 僕を責めないで下さい」 (繰り返し) |
2. Paddy wrote a letter To his Irish Molly O', Saying, "Should you not receive it, Write and let me know! If I make mistakes in "spelling", Molly dear", said he, "Remember it's the pen, that's bad, Don't lay the blame on me". Refrain: |
3. メアリーは愛蘭児に 丁寧な返事を書いた。 「マイクに求婚されました。だから ロンドンから帰って来て下さい。 そうでないと貴方は責められるでしょう、 私は貴方への愛で 白痴も同然なのですから。 貴男も同じ想いだと信じています!」 (繰り返し) |
3. Molly wrote a neat reply To Irish Paddy O', Saying, "Mike Maloney wants To marry me, and so Leave the Strand and Piccadilly, Or you'll be to blame, For love has fairly drove me silly, Hoping you're the same!" Refrain: |
<備考> |
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[1.曲について] - ではどうしてこの歌が兵士らの間で愛唱させるようになったかというと、それは次のような偶然が重なった為です。先ずこの歌が音楽ホールで演奏されていたのを、かつてティペラリーに駐屯していた英軍兵士らが偶然耳にします。その結果、この兵の所属する部隊で歌が有名になります。 その後第一次大戦が勃発し、この部隊は海外遠征軍としてフランスに派遣されます。その時も兵士達はこの「遥かなるティペラリー」を歌っていたそうです。その場面を偶然、特派員の記者が目撃、新聞記事として英国本国に送ることになります。 こうしてこの歌は知れ渡って英軍で広く歌われる事になり、米国でも有名になったようです。望郷、或いは別れの歌が軍歌となった例としては、ドイツの「ムシデン」と事情が似ているかもしれません。 - 日本では、宮沢賢治が訳した「私は五聯隊の古参の軍曹」という歌が存在しています。リンク先に音源あり。掲示板での情報提供ありがとうございます。 <関連ページ>
- [2.訳について] 「Picadilly」(ピカデリー)はロンドンの繁華街。「Strand」はロンドンの通り、「Leicester Square」も同じくロンドンの広場。 「Tipperary」は先ほど述べたとおり、アイルランドの小邑です。「Paddy」はアイルランド人を指す俗語だそうですが、現代では侮蔑語として使用は憚られるようです。上掲の訳では「愛蘭児」としてます。 「Molly」は「Mary」の愛称とのこと。ただ「モリー」とすると感じが出ないので訳では「メアリー」としています。日本語にするとどうなるんでしょうか・・・「メアリーたん」?(笑)まあこの辺はお好きなように脳内変換して下さい。 「O'」は「son of」の意味で、アイルランド人の姓に冠せられるもの。原詩では登場人物が生粋のアイルランド人である事を示すために用いられていますが、訳では反映させていません。 - 特殊な用語はこれまでとして次に一部不明確な箇所があった事を。 2番の「Should you not receive it」ですが、「receive」の意味がいまいちわかりません。たぶん「結婚を受け入れてくれないのなら」という意味だと思うのですが。 もひとつ繰り返し部分の「Goodbye Piccadilly, Farewell Leicester Square」におけるふたつ離別を意味する言葉。これは1番だと「ロンドンの町がなんだ」という意味でもちいられていますが、3番だと本当に「ロンドンさようなら」という意味で使われていると解釈できるかもしれません。 - [3.音源情報] CDでは合唱つきの音源が以下のものに収められています。なお国内CDでは当該の曲が「ティペラリーの歌」と邦訳される事が多いそうですので、お探しになる時はこちらで検索した方が良いでしょう。(PT109様からの情報です。いつもありがとうございます)
皇紀2666年3月6日更新 |
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