なお、関税に関しても、ベストアンサーの中で言うように、「北部が保護貿易(高関税)」「南部が自由貿易(低関税)」を主張した、というのが事実のようだ。これも案外錯覚しやすい。原料輸出圏である南部は低関税を、工業品輸出圏である北部は(輸入工業品への)高関税を主張しそうに思うからだろう。
アメリカの南北戦争の起こった理由について。
アメリカの南北戦争の起こった理由について。
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北部と南部の奴隷問題で南北戦争が起こったと一説には定義されていますが
真実はもっと深い問題があったのではないでしょうか。 お願いします。
補足たいへん勉強になりました。 今後ともお願いします。
ベストアンサーに選ばれた回答
南北戦争における奴隷問題とは、資本家(白人)にとっての労働者(黒人)の雇用形態の問題で、人道問題ではない。
実に切実な経済問題だったのだ。
南部は農業(綿花)中心だったが、機械化が進む前の大規模農業は沢山の人手が必要だった。
そして農業の場合、農地の大きさは基本的に変化しないから、毎年、同じ数の労働者が必要だった。
しかも綿花市場は、イギリスが産業革命で繊維産業を大きく成長させていたので、買い手には全く困っていなかった。
奴隷制とは、労働者を囲い込むことだ。毎年同じ数の労働者を確保するという意味で、奴隷制は最適だったのだ。
しかも奴隷には衣食住さえ与えていればよく、給料を払う必要はなかった。(少なくとも高額の給料は不要)
一方の北部は、イギリスとの戦争の結果、イギリスからの工業製品輸入がストップしたこともあり、自前で工業製品を造らざるをえなくなったため、急速に工業が発展していた。工業とは、最近の期間工や派遣切りでわかるように、景気の良いときは人手をより多く必要とするが、暇な時は出来ることなら労働者を解雇しなければやって行けない。
南北戦争前の北部は、急速に工業を発展させていたため、新たな労働力を必要としていたのだ。しかし、不景気の場合を考えると、労働力は欲しいが、何時でも首を切れる状態にしておきたかった。
これを労働力の流動化という。
前述の通り、奴隷制とは、労働力の固定化で、原則として奴隷の首は切れない。工業には不向きな雇用形態だったのだ。
なにしろ、奴隷には給料を払わなくて良いとはいえ、衣食住は与え続けなくてはいけない。
不景気な時にそんなことをしたらたちまち倒産しかねないのだ。
だから北部工業州の多くが奴隷解放に動いた。米国の奴隷解放とは、このように人道上の問題でも人種差別問題でもなかったのだ。
そして発展途上で、さらなる労働力を必要としていた北部は、南部の黒人奴隷を狙ったのだ。だから南部にも奴隷解放を迫った。
リンカーンが奴隷解放を訴えて大統領選に出馬したのは、そういう北部工業州の資本家の支持を得たいがためであるし、当選したのもリンカーンの思惑通り、彼等が後押ししたからだ。
そして、上院も奴隷解放派の議員が多数を占めることが確実になったとき、奴隷達が大挙して北部に移りかねないことに危機感を抱いた南部の大農園主たちが主導して合衆国離脱を図り、そうはさせずと立ち上がった北部とで南北戦争が勃発したわけだ。
このように奴隷問題には、非常に深い真実があったということだ。
結局、解放された黒人奴隷達は、景気の良い時には恐ろしく安い給料で働かされ、不景気の時には職を失って衣食住もままならないという、実態だけをみれば、奴隷時代に比べても悲惨な生活を送らざるを得ないはめに追い込まれてしまった。
黒人の犯罪率が激増したのも、そういう奴隷時代以上に悲惨な生活実態が原因なのだ。
ちなみにbpcbj848さんの自由・保護の話は逆だ。
イギリスに綿花を売りまくっていた南部が自由貿易を主張し、新興工業国でコスト高だった北部が、先進国でコスト安のイギリスに対し 保護貿易を主張していたのだ。
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奴隷問題はあまり関係ありません。要は英国との関税の問題です。基本的に北部は工業地帯、南部は農業地帯(主に綿)。で、英国に安く工業製品を売りたいために低い関税のままにしておきたい北部と、英国からの安い綿製品の流入を防ぐために高い関税にしたい南部との対立が主な原因。
リンカーンの奴隷解放宣言は南北戦争開戦後のことだし、そもそもリンカーンは大統領になるために奴隷制度反対を唱えただけで、根本的には差別主義者だった、という話もある。南北戦争中に開放宣言したのは、南軍の黒人兵士の反乱を狙ってのこと。あの演説だけで「奴隷解放の父」などというのは間違っていると思う。本当にリンカーンが奴隷解放を目指してして、その結果として南北戦争が起きたのなら、北軍が勝った時点で奴隷はいなくなり、黒人の公民権が1900年代まで無い、という事態はあり得ない。リンカーンは大統領になる手段、戦争を勝つ手段どして黒人を利用しただけだと思う。