そもそも主人公である「ドール」というものの概念がよく分からない。下の記事で見ると人間であるらしいが、ヴァイオレットは両手が義手である。サイボーグなのか、ロボットなのか。
主人公自身、自分は心が無い、と思っているようなのだが、第一回から涙を流し、感情を表情として表すからわけが分からない。感情と思わせる表情を示せるように高度にプログラムされたロボットなのか、と私は思っていたが、下の記事だと実は人間らしい。ではなぜ「ドール」と呼ばれるのか。
そのあたりの曖昧さが不愉快で、大半を飛ばして中盤と最終回だけ観たわけだが、最後まですっきりしなかった。主人公がやたらと「命令」を欲しがるのも、ロボットなら分かるが、ロボットでないなら意味が分からない。
まあ、もしもエロアニメなら、せっかく主人公を美人にしたのだから、セックスロボットにでもしたらいいのにと思うのだが、依頼された手紙を書くだけのタイピストが「戦闘能力が高い」意味も分からないし、どうにもいらいらさせられる設定のアニメ(原作自体がそうなのだろうが)だった。
なお、脚本は吉田玲子だが、原作尊重のためか、「ガルパン」のようなギャグなどはまったく無く、彼女を脚本に起用した意義は無かったと思う。
そもそも自動手記人形って何?
「自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)」は、もともとは代筆をしてくれる機械の自動手記人形のことを指す言葉だったようですが、時がたつにつれて代筆業を行う人々も『自動手記人形』と呼ぶようになったという経緯があります。
そしてもちろん、ヴァイオレット・エヴァーガーデンは後者の代筆業者です。
原作では「精緻な人形のようだ」と表現されていたりもしますが、れっきとした生身の人間です。
さらに、自動手記人形は代筆業を行うために紛争地帯に乗り込むこともあるため、ある程度の護身術や覚悟が必要な仕事となっています。
ちなみに、作中では淑女のような方々ばかりが自動手記人形として代筆業を行っていますが、これは身分の高い顧客を相手にしてもしっかりと仕事をこなせるようにという意味があります。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの異常な戦闘能力と出生の謎
戦場で華々しい戦功を幾度も挙げ、異常としか言えないほどの戦闘能力を持っていた主人公。
その異常な強さは、少女の段階で数人の囚人と同時に戦わされても圧勝してしまったという、作中の事実からも分かります。
しかも彼女が頑丈な義手を付けたのは戦争直後のことですから、つまり彼女は生身の状態で十分すぎるほどの実力を持っていたという事になります。
そんな彼女がどうやって生まれたのか気になりますよね。
一応、作中に描かれている事実としては、海軍に所属していた少佐の兄が、海を漂流した後に流れ着いた小さな島で彼女を見つけたという事になっています。
ちなみに、この際少佐の兄と一緒に行動していた兵士たちは、みんな幼いヴァイオレットに瞬殺されてしまいました。
つまり、彼女は小さな島で一人で暮らしており、なぜか圧倒的な戦闘能力を持っていたという事になります。
また、主人公は自分の親を知らないと語っていますから、本当に物心ついた頃から島で一人暮らしていたと考えられます。
となると、どうして彼女が島で一人暮らすことになったのかという不思議な疑問が出てきますよね。
「あまりの戦闘能力ゆえに実の親たちが怖がって島に放置した」とか、
「どこかの秘密機関が育てたものの手に負えなくなって島に放置した」とか、
いろいろな憶測が浮かびます。
しかし、原作では彼女の出生に関して何も言及していないんですよね。
ですから、ヴァイオレット・エヴァーガーデンがどこで生まれ、どこで異常な強さを身に着けたのか真実は分からないんです。
きっと、私達読者が知らない物語があるのでしょう。
精神的に無垢なために少佐からの「愛」が分からず、愛を探しているヴァイオレット・エヴァーガーデン。
謎ばかりな彼女がアニメで動くのが本当に楽しみです。