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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「4マルクの小部屋」という映画ファンブログから転載。
私はアニメの最高傑作としてりん・たろうの「銀河鉄道の夜」を常に推しているのだが、宮崎アニメももちろんベスト3以内に入れたい。その中では「ルパン三世カリオストロの城」と「天空の城ラピュタ」、それにテレビアニメだが、「未来少年コナン」が大のごひいきなのである。あ、「クレシン、モーレツ大人帝国の野望」もベスト3以内に入れたいなあ、ということで、ベスト3以内に5つ入れることになる。
で、この「未来少年コナン」は、見ていて気持ちがいい、という点、見ていて楽しい、という点では最高の作品ではないだろうか。男なら誰でも、自分がコナンのような少年で、ラナのような子がこの世に存在するなら、人生をやりなおしてもいい、と思うだろう。
下に書いてあるのは、この作品の「悪のヒロイン」モンスリーの話だが、このモンスリーがまた素晴らしいのだ。私はもともとこういう悪者サイドの美女が好きなのだが、その中でもモンスリーの魅力は別格だ。しかも、ネタばれをするが、実は彼女は悪者サイドに属しているために悪事に加担していただけで、最後にはコナンたちの味方になるのである。善人側に回ってからの彼女も魅力的だが、颯爽とした感じは「悪役ヒロイン」の頃がいいなあ。
モンスリーがなぜ悪の側にいるかというのには理由があって、この作品ではそれがきちんと描かれている。もしかしたら、宮崎駿にとっても、モンスリーは特別なキャラだったのではないか。それほど深い書き込みなのである。だからこそ、あれほど魅力的になったのだろう。


(以下引用)


モンスリーとムク

■未来少年コナン■

テレビアニメ史上に輝く傑作「未来少年コナン」については,もうあらゆることが語り尽くされているので今更僕などが付け加えることは何もない。が,たまに引っぱり出して見ているとやはり面白くて夢中になってしまう。見る側の経験値がいくら上がっても全く色褪せないというのは凄い。

最初のオンエア当時,僕はアニメの絵柄というのは劇画調でシャープな,線の多い細かい描き込みのものほどかっこいいと思い込んでいた。ヤマトみたいなのが人気あったしね。だからコナンの製作記事をアニメ誌の片隅に見たときは「なんか子供っぽい絵だな,NHKだもんな」などと思ったものである。で,とりあえず見てみた第1話。

うわあっ,続きは?ねえこの続きは!?

てなもんである。僕はこのとき宮崎監督言うところの漫画映画の楽しさ,面白さを初めて実感したのだと思う。劇画調メカや線の多いキャラクターへのこだわりは無意味なものだと痛感した。本当の面白さはそんなところにはないのだと知ったのである。コペルニクス的転回だったなあ。

これを見てしまうと観客の目が一挙に肥えてしまうのだ。高校野球しか知らない観客にメジャーリーグの試合を見せてしまったようなものである。もう元には戻れない。他のテレビアニメの作り手たちにも衝撃だったろう。

さて,この「未来少年コナン」は名場面の宝庫なのでいろんなシーンにそれぞれの思い入れがある。語り出すと止まらない人も多いだろう。僕も同様だが,今回はファンの多いモンスリー女史のくだりをひとつ。実はコナンやラナのシーンをさしおいてここがとっても好きなのだ。第19話「大津波」の回である。

ハイハーバーに乗り込んで武力で人々を押さえつけながらもコナンの活躍で敗色濃厚なモンスリー。心労にひととき庭で休んでいると目の前を通りすぎる一匹の犬。それを見た彼女の心にふと子供のころの記憶がよみがえる。愛犬ムクと駆けまわっていた彼女が体験した破滅の光景……。

非情な戦闘指揮官としての彼女がしまい込んでいた過去が明かされる瞬間なのだが,この直後のコナンとの静かなやりとりが実に印象的だ。彼女はもう心が疲れてほころびかけている,そんな様子とともに「ああ,この人はこの先救われてほしいな」という思いを抱かせる絶妙の演出がすばらしい。

今はDVDも出ているが僕の手元にあるのは旧LDボックス版。ディスク5のSIDE2,チャプター2の7分15秒あたりから。吉田理保子さんの演技はすばらしいのひと言。

ハイハーバーを襲う大津波と彼女の記憶の中の大津波。津波はかつて幼い彼女の心を打ち砕いたが,時を経て今,冷酷に凝り固まった彼女の心にひびを入れたのだ。この回は物語自体のターニング・ポイントになっているが,それはモンスリーというたいへん魅力的な女性キャラクターにとっても同様だったのである。

それにしても「コナン」の面白さというのは尋常ではない。この文章のために第19話を見ていたら案の定,止められなくなって結局最終回まで見てしまった。最近は突き放したような結末の作品が多いが,こういう大団円というのもいいなーとあらためて思う。シアワセな気分になれるもの。

この作品を体験せずに物語の面白さについて語るなんて自分の未熟を暴露するようなものだ。どのメディアでもいいから必携必見である。


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