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ゲーム・スポーツなどについての感想と妄想の作文集です 管理者名(記事筆者名)は「O-ZONE」「老幼児」「都虎」など。
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「晴れの日も雨の日も」というブログから転載。
「トゥーランドット」の粗筋が面白いので転載した。「びんちぇろ、びんちぇーろ!」

(以下引用)


トゥーランドットのあらすじ。

 遥か昔、支那の歴代帝国のうちのどれかの帝国の首都北京を舞台にしての物語。
 善政を行ってきた皇帝には跡取りは一人しかいなかった。その唯一の跡取りの王女トゥーランドットは、世継ぎのために養子をとらねばならず、結婚を強いられているが、姫は男性恐怖症であり結婚などしたくない。それで先祖の呪いとかなんとか理由をこじつけて、婿探しを先のばしている。それでも婿を取る義務ある身ゆえ結婚へのプレッシャーは強く、それで婿選びはするものの、伴侶となる者には過酷な条件を課した。それは伴侶となる者は王女の出す3つの謎を解かねばならない、そしてその謎が解けなければ問答無用で首をはねるという超ハイリスクな婿トライ。そんな命がけのチャレンジ、誰がするんだいと思いきや、美貌の姫と皇位を同時にGetできるという機会は貴重のようで、それに挑む若者は次々と現れる。しかし姫の謎は難解であり、皆失敗して、毎年毎年多数の若者の首をはねられていき、それを王女が冷酷に見据える光景が北京の日常茶飯事になっていた。


 ある時、たまたまこの国を訪れた韃靼国の王子カラフは、処刑の場に現れたトゥーランドットを見て、その類まれなる美貌に一目ぼれして、彼女を得るために、命を懸けた3つの謎にチャレンジするこを決意した。


 周囲の者たち、-王子の父、それから皇帝、大臣たちは、「命は大事にしなさい」と懸命に忠告をするのだが、一目ぼれの心の高揚の勢いのまま、カラフは3つの謎にチャレンジして、見事に解き明し、王女の伴侶の資格を得る。


 しかし、トゥーランドット姫は前言を翻し、求婚を激しく拒否する。父親の皇帝は「約束したのはお前だろ。ちゃんと守れ」と諭すものの、王女は断固として結婚を拒む。そして王子に対して「こんなに嫌がる娘を無理やりに嫁にして何が楽しい!」とそこだけ聞けば真っ当な、しかし今までの己の所業からすると極めて理不尽な抗議をする。


 王子は、しかし甘い人間であり、王女を哀れに思ったらしく、そこで、王女に半日の猶予を与える。「夜が明けるまでに自分の名前を知ることが出来たら、それで私は諦めて死のう」と。こんな異国で自分の名前を知る者などいるわけはなく、半日悶々と過ごせば王女も頭が冷えるであろうという企みだ。


 それでも結婚が嫌で嫌でたまらない王女は当然この提案に飛びつき、全市民にお触れを出す。
 「夜明けまでになんとかこの王子の名前を探せ。もしそれが出来なければ、みんなの首をはねる」


 ここ数年、人の首を狩ることに慣れ親しんだ王女は、このような非人道的、残酷なお触れも平気で出せるのである。


 事態は相当に複雑なことになってしまった。
 それまでは単に3つの問いに答えて、その結果で全てが決定するはずの求婚劇はいつのまにか何十万という人が住む北京市全体を巻き込んだ騒動になったのである。
 この事態を平穏に収め、そして王子が姫と結婚するためには、
 (1)自分の名前を秘密のままにする 
 (2)それでも市民の命を助ける 
 (3)氷の心を持つ姫の人間的な心の持ち主に変える 
 の3つの難問を同時に解く必要があり、舞台はその難題への対処方法を求めて進むと思いきや、そうではない。


 第3幕はその難題への対処の物語なのだが、そこで冒頭、有名なアリア「誰も寝てはならない」が王子によって歌われる。
 そこで、王子のきまぐれによる提案で恐怖の一夜を迎える羽目になった何十万という市民たちは、「王子の名前が分からないと自分たちは死ぬことになる。なんとかしてくれ」と王子への嘆願の大合唱をするのだが、肝心の王子はそれら哀れな市民を一顧だにせず、「誰も俺の名前など知らない。夜が明ければ自分の勝ちだ。それで自分は王女を得る。俺の勝ちだ(Vincerò!)、俺の勝利だ。びんちぇろ、びんちぇ~ろ!」と高々と歌い上げる。まことに天晴な外道っぷりである。


 アリア「誰も寝てはならない」は美しい旋律なので、その歌詞もロマンチックと思いきや、じつは相当にろくでもない内容なのではある。


 このサイコパス王女と外道王子の、奇っ怪な恋物語はどのように着地していくのだろうか。
 このままいけば、夜明けとともに大虐殺が行われ、何十万という市民たちが血まみれになって地に伏す北京の街を背景に、王宮のなか、嫌だ嫌だと泣き喚く王女を引きずって、強引に結婚式があげられるというようなフィナーレになりそうなものだが、いろいろと紆余曲折があって、そうして感動的なフィナーレを迎える。


 筋だけ書けば、乱暴な話なのだが、その乱暴さを音楽が支えているのが、トゥーランドットというオペラのいいところである。

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