また少々間が空いてしまいましたが、今回はドラフト9位、佐野 恵太選手と 育成ドラフト1位、笠井 崇正選手について見ていきましょう。
まずは、神宮大会での活躍も記憶に新しい、明治大学・佐野選手。右投げ左打ち。 元々捕手でしたが、大学では主に一塁手としてプレー。 ガッシリした体格ですが、上背は特別大きくはない(公称178cm、82kg)選手です。
まずは、東京六大学リーグでの通算成績から。 63試合 226打席 .270 6本 33打点 OBP.354 SLG.440 OPS.794 三振率:10.18% 四死球率:11.50%
打撃成績そのものは、一塁手としてみるとやや物足りないものですが、 特筆すべきは三振の少なさ、四死球の多さですね。三振よりも四死球が多いということは、 「当てる」技術と「選ぶ」技術を併せ持っているということです。
次に、大学でのキャリアハイとなる成績を残した4年・春季リーグの成績を。 14試合 59打席 .302 3本 12打点 OBP.373 SLG.566 OPS.939 三振率:6.78% 四死球率:10.17%
やはり、三振が少なく、四死球が多いことが見て取れます。 ベイスターズで同様の特徴を持っているのは、一軍ではただ一人、宮﨑選手だけです。 また、二軍でも柴田選手がそれに近い傾向を示していますが、こういった選手は 目立たないかも知れませんが、堅実・確実な仕事をしてくれる傾向があると考えています。
打者のフォームについては、あまり詳しくはないのですが、 佐野選手のフォームは初動が非常に小さく、また目線がほとんど動きません。 恐らく、選球眼のよさ、当てる技術はこのあたりから来ているのかな、と感じます。 スイングもコンパクトですし、非常に実戦的な打者ではないでしょうか。 プロでの課題は、プロ入り当初の宮﨑選手同様、守備面、ということになるかと思います。 現状でも、打撃においてはプロでやっていくだけのものがあると期待しております。
続いて、BCリーグ、信濃グランセローズ出身の笠井選手。右投げ、スリークォーターで投げるリリーフ投手です。 元々、早稲田大学に一般入試で入り、野球部に所属していましたが退部し、趣味で野球を続けながら BCリーグのトライアウトを受験、大学在学中にプロとしてのキャリアをスタートしています。 余談ですが、早稲田に一般入学というと、元ロッテ・横浜の小宮山 悟さんを思い出しますね。 そして今季、一年BCリーグでプレーし、見事ベイスターズから育成1位で指名されたわけです。 その今季の成績がこちらになります。
35試合 37.0回 防御率2.43 被安打率:7.54 奪三振率:8.76 四死球率:2.19
非常に優れた成績を残しています。特に四死球率がかなり高水準ですね。 フォームを見ると、重心が低く、安定しているように見受けられます。 体格的にも下半身がどっしりしていますし、かなり強靭な足腰を持っているのではないでしょうか。 制球面の安定も、ここから来ていると思われます。 一方で、腕がやや遠回りしているような印象を受けます。腕の振りを見直すと、 更に威力あるボールを投げられるようになる可能性を感じます。